15-4
「名前…」
「ん…?」
快斗は私の後頭部に手を添えて、ゆっくりキスをした。
「んっ…」
快斗と初めての、すごく優しいキスだった。
幸せな、暖かいキス
私は、快斗がいる日常に慣れすぎてたのかもしれない
好きなのは変わっていなかったが、いて当たり前と思っていたのかもしれない
ごめんね快斗。
ありがとう。
すごく、幸せだよ。
ーーーー
「…お前ら…また二人して遅刻か…」
「「すみません…」」
「あれほどマナーは守れって言っただろー?」
「夜のマナーは守ったぜ?にしし」
「!!ちょ、快斗!!なんにもしてないでしょ!!」
その瞬間、クラスのほぼ全員が席を立ち、ええええ?!と声をあげた。
青子と、夕くん以外。
「夜のマナーは偉いが、それ以前にちゃんと付き合ってるのかー?」
「先生…質問の主旨がズレてるような…」
「付き合ってるぜ?」
な、名前♪と私の首に腕を組んできた。
な、じゃない!!
「あーもう!!付き合ってるし昨日泊まってったけど、なにもしてなああああい!!」
それにはみんなびっくりしてるが、快斗だけはニヤニヤ笑っていた。
さてこれからどうなるのやら……。
(ふふっ。快斗、名前おめでと
)
(僕の名前さんが…僕の名前さんがあああっ!)
意外と女々しい夕くんでした。
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