14-2
放課後、夕君に呼ばれ振り向くと、こっちへ向かってきた。
「名前さん、テスト勉強した?」
「実はまだ…へへ……。範囲ちゃんと聞いてなくて…」
「じゃあ僕が教えるよ!」
「いいの?!ありがとう!!」
「テスト近いから、今日なんて空いてる?」
「空いてるよ!」
「じゃあ、これからファミレスにでも行って勉強しよう!」
「おっけー♪」
すると遠くの方から、青子の声が聞こえた。
そこにはこっちを見ている快斗も一緒だ
「名前ー!帰えろー!!」
「ごめん!今日夕くんと勉強しに行くのー!ごめんねー!」
「…そっかあ…!わかったよ…!」
「じゃあまた明日ね!!」
「う、うん…!ばいばーい…」
「名前さん、行こうか!」
「うん!」
なんか夕くん、快斗とまた違う感じで面白いな…♪
「…いいの?!快斗!!」
「別に勉強ぐらいいいだろ。」
「名前ん家とかだったらどうするの!?名前危ないよ?!」
「名前が拒むだろ」
「そうだと思うけど…」
ーーーー
「ここのファミレスでいい?」
「うん!いいよ!」
「じゃあ入ろうか!」
とドアを開けてくれた。
レディーファーストですよ、と紳士な笑顔で。
快斗とはまた違うモテ男くんで、イケメンなうえに成績優秀。
真面目で紳士だけど面白い1面がある。
うちのクラスでは快斗派と夕派に別れるくらいだ。
もちろん、私は快斗派だけど。
勉強会が始まり、とてもわかりやすく教えてくれた。
優しく教えてくれるうえに、教えるのが上手な彼にとても真剣に聞き入った。
そうしている内に時間が経ち、今日はここでおしまい、とファミレスを後にした。
「名前さん1人じゃ危ないから、送って行くよ」
「申しわけないからいいよ…!」
「大丈夫!僕もこっち方面だし、送りたいから♪」
「ありがとう…!」
「ねえ、今日の僕の勉強わかりやすかった?」
「うん!すごくわかりやすくて聞き入っちゃった!」
「そっか!良かった♪テストまでの数日間、名前さんが良ければ毎日教えるよ!」
「いいの!?教えて欲しい!」
「もちろん♪」
「ありがとう!!」
「目指せ成績UP!!」
「頑張る!!」
2人で連絡先を交換し、家まで送ってもらい1日が終わった。
こうしてテストまでの数日間、毎日ファミレスで勉強を教えてもらい、仲も深まり成績UPを狙う。
しかしあきらかに快斗と青子との会話は減る一方。
でも、テストまでだし…と軽い気持ちでテスト当日を迎えた。
「青子〜!テストだよ今日〜…やだあ」
「頑張ろう!!ね、快斗」
「別に名前みたく必死こかなくても俺はできる」
「ちょっと…バ快斗…っ!」
目を合わせもせず初めて嫌味を言われ、イラっとした。
「あっそ!いいね元から頭いい人は!」
そっぽを向くと、夕くんがこっちに向かって来るのが視界に入った。
「名前さん、おはよう。いよいよテストだね!元から頭いい人なんていないよ。 名前さんは頑張ったから大丈夫!」
話を聞いていたのか、私をフォローしてくれた。
「夕くん…優しい!!ありがとう!たくさん教えてもらったから頑張る!!」
「その調子♪」
「……はぁ。ほんとこれじゃあただのバ快斗だね…」
「………」
そんな会話など聞こえず、テストの時間を迎えた。
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