14-1
冬休みも終わり、今日は始業式。
冬休み…色々あったなあ…
クリスマスにお正月…
その後はみんなでスキーに行って、快斗はボードめっちゃ上手だったなあ…
かっこよかったー!
なんて幸せな回想に先生の声が邪魔をした。
「ホームルーム終わったら全校集会あるからなー!みんなイス運べよー」
あー…眠くなるやつだあ…
快斗も前の席で伸びをしている。
眠そうだな…
ホームルームが終わり、みんなイスを運ぼうとしているが、だるかった私はいかにもだるそうにイスによっかかっていた。
「名前、だりーんだろ?俺がイス運んで「名前さん、イス、僕運びますよ?」
「えっ?あ、ありがとう…」
同じクラスの夕(ゆう)くんだ
どうしたんだろう急に…今まで少ししか話したことなかったのに…
そう思ってる間に夕くんは椅子を廊下まで運んでくれた。
「ありがとう夕くん!助かった!」
「いえいえ♪」
「……ちっ。なんだよ夕のやつ急に…」
ーーーー
体育館での全校集会が始まり、長い長い校長先生の話を聞くと、やっと終わって各教室へ戻ることになった。
もともと出席番号順に並んでいたため、夕くんとは苗字的に並ぶと近く、そのためか教室に戻る際も話しかけられた。
「名前さん!帰りも持ちますか?」
「ふふ。もう目覚めたからいいよー!急にどうしたの?」
「同じクラスなのになかなか話せてなかったなと思って…話しかけてみました!」
「そうだったんだ!てか敬語やめてよ同じクラスでしょ?」
「そうだね!」
まじめそうな彼は見た目のごとく委員長を務めていて、堅い人かと思いきや話すと結構面白い人だった。
「委員長だからって堅くなってるけど、ホントはすごく明るいんだよ!委員会とかすごくめんどくさくて…」
ため息を大きくつく夕くん
「えーそれ自分で言う?なんで委員長立候補したの!?」
「あははっ。それはさー、理由があるんだよ!」
「ちょっと…快斗!夕くんどうしたの…?急に名前と話すようになって!なんか2人凄く楽しそうだよ?」
「俺に聞くなよ。しらねー。」
「いいの!?名前取られちゃうかもよ!?」
「…名前はあんなやつ興味ねえだろ」
「普段そんなこと言わない快斗が…珍しいね。嫉妬してるなら止めないと!」
「ほっとけよ」
「うーん…」
先に教室についていた2人がこんな会話をしているなんて知る由もなく、名前は楽しく夕くんと話していた。
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