11-3
「このリンゴ飴にしようかなー!」
「いいよ!私が買ってあげよう!」
「えっ!いいよ〜…僕お金ちゃんと持ってるよ?」
「一緒に来て小学生に払わせる高校生がいるか!!」
どんだけケチなんだよ。
笑顔で言うと、コナン君はありがとう!と喜んでくれた。
「僕あっちで食べたいっ!」
「えっ、あそこ屋台裏だよー?みんなのところ戻って食べようよー?」
「静かなところで名前おねえちゃんとお話しながら食べたいんだもん…」
「ん〜…いいけどさ!」
仲良くなりたいって言ってくれたし、別に断る理由もないか。
屋台裏の少し奥に川が流れているところがあったので、そこで2人で話する事になった。
「ねえ名前おねえちゃん、快斗お兄ちゃん遅いね?」
「うん、遅いねー…でももういるかもね!」
「連絡きてないのー?」
「きてないよー!」
「用事ってなんなんだろう?」
「…さあ?なんだろうね…っ」
「あ!そうだ!僕快斗お兄ちゃん何してたか知ってるんだった!今思い出しちゃったー!」
「えっ?!」
とかいいながら、心の中では知っていた。
だって、コナン君はキッド=快斗だと知っている。
テレビに2人でうつっていたということは、そりゃあ快斗が何してるか知っているはずだ。
「僕、蘭姉ちゃん達に、快斗お兄ちゃんが何をしてたのか教えて来なきゃ!!快斗お兄ちゃんが来ないと心配だもんね!」
行かなきゃ!とコナン君が立ち上がる。
「えっ…ちょっ…!」
やばいっ…!
コナン君が快斗の事話したら…!!!
キッドが快斗だってバレちゃう!!
「だめ!!言わなくていいよ!!」
「…なんで?快斗お兄ちゃん、何してたか知ってるの?」
コナン君の声が急に低くなった。
言ってしまった…
見事に騙された…
今思えばコナン君がみんなに言うわけないじゃん…
「ねえ、名前おねえちゃん、何か隠してない?」
「隠してないよ…」
「……」
信用してないな……
絶対納得してない。
きっとコナン君にこのまま隠し通すのは無理だ。
これからずっと疑われた目で見られるのは嫌だし…
コナン君に注意払いながら喋るのもなぁ。すぐバレるよなー。
コナン君なら口堅いし…
私がキッドが快斗だって知ってるって言うってことは私が現実の世界から来たこともコナン君が新一だって事も言うことになる…
負のスパイラル…
でも…コナン君になら…
言っても大丈夫かもしれないっ!
「隠して…る…」
「話して?」
こうして、私が現実の世界から来たこと。
快斗がキッド、コナン君が新一というのを知っているということ。
私がほんとは19歳だということ。
今までの経緯をすべて話した。
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