09-5
その後1人で黙々と片付けを進め、1時間が経過。
「…そろそろ快斗起こすかな」
寝室へ向かうと快斗はまだぐっすりと眠っている。
寝顔、幼いなぁ。
なんて思いつつ、声をかける。
「…快斗」
「…」
「快斗〜っあとは家で寝なさい」
「ん〜…」
「か!い!と!」
「んんっ…はい…」
「はいって…」
可愛いお返事ですね。
「ん〜ねみ〜…起きたくない…」
「さっさと起きちゃって家帰ったら寝な?」
「家帰っても1人だもんどーせー…したらここにいたい…」
そっか…快斗は今一人暮らしだもんね
そんなこと言われたらなんも言えないよ…
「わっ?!」
いきなり腕がぐいっと引っ張られ、そのまま快斗の元へ引きずり込まれて布団を上からかけられた。
「えっ?!ちょっと…快斗っ…!」
「もう名前も寝ちゃおうぜ…」
「え〜っやだよ!まっ…間違いとかあったら…どうすんのさっ!!」
「ん〜…今は眠さが勝ってるから今のうちだぞ〜一緒に寝るの」
「ええ〜…」
「眠くねえ時にこんな状況だったら我慢なんてできねーよ?俺も男だからな。…それとも、してえの?」
「〜〜〜っ!!ち、違うよっ…!!」
「したいって言われたら目覚めたのにな〜……じゃ、寝ようぜ〜…」
「うぅ…」
困惑していると、頭上から寝息が聞こえた。
もう寝たのか…
ドキドキさせやがって〜…
寝れないよ…こんな状況で…
ーーーー
ピンポーンとインターホンの音で目が覚めた。
「んんっ……っ!!!やばい!寝れないとか言って寝ちゃってた!!」
まだ隣で熟睡している快斗を置いて、髪をささっと整えて玄関を開けた。
「はーい…」
「やっほー♪」
「青子!!おはよーっ!」
「おはよってもう昼だよ…」
「ええっ?!そうなの!!」
携帯を開くとあらほんと。
もうとっくにお昼ではありませんか。
「いつまで寝てるのさ…」
「とりあえず中入ってー♪」
「ありがとう♪昨日快斗とどうだったー?いい感じにデートできた?!」
「ちょっ!しーっ!!」
「あ、ごめんっ!………って…え?もしかして快斗いるの?!」
「昨日、クリスマスケーキを私の家で食べることになってそのまま寝ちゃったのさ…っ」
「あいつ〜…変なことされてない?!」
「だっ大丈夫っ!!」
「快斗どこで寝てるの?」
「寝室…」
「えっ?!名前どこで寝たの?!」
「しっ寝室…」
「バ快斗〜…!!女の家で一緒に寝室で寝るなんて!!」
「大丈夫だよ!ほんとになにもされてないから…!」
「快斗どこ?!」
「あっち…」
と寝室を指さすと青子はそこへズンズン入っていった。
「快斗おおおお!!」
「っ!!び、びっくりしたあ〜…青子?なんでいんの…!?」
ガバッと上半身だけ起こし、寝起きで何がなんだかわからないのか、目を白黒させている快斗
青子の後ろから苦笑いする私
なんか…浮気がバレた人みたい…
「なんでもいいでしょ!!それより、名前に何か変な事してないでしょうね?!」
「してねーよなんも!!」
「ほんとー?」
「ほんとだって!」
「…ならいいけど…もう昼だよ!?早く起きなさいよ!」
青子が布団を剥がそうとすると、快斗はガシっと布団を掴む。
「ちょっ、ばかおめーっ!思春期の男の子だぞ!!少し考えろっ…!!」
「あ…っごめん…」
「後で行くよ」
「あっ青子、コーヒー入れるからリビング行こうか!」
「うん!」
じゃあね、と2人でリビングに向かった。
「…っぶねー…こんな状況名前に見られたら…」
と下を向きペラっと布団をめくると、深くため息をつきそのままボスンとベッドに倒れた。
なーんていうことを名前達は知る由もなく…
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