08-5
「先ほど名探偵が名前と言っていたので…覚えただけですよ」
「そうですかーっ」
「危なっかしい、名前嬢と覚えましたよ」
「危なっかしいはよけいだ!!」
そうですね、とくすくす笑われた。
「…ところで、名前さんはその同級生のどこがお好きなんですか?」
「えっ…」
それ聞く?!
「んー…バカなところとー……って私その同級生が好きなんて言ってないじゃん!!」
「わかっちゃいますよ、話聞いてると」
「う…」
これ告白してるようなもんじゃん
最悪だ…
「馬鹿なところと…?」
相変わらずポーカーフェイスだが、目の奥でにやついてる気がする…
「バカでアホでマヌケで変態で不真面目で…そんくらいかな!!!」
言ってやった!
言ってやったぞ!!
ちょっとドヤ顔でキッドをみると、少し苦い顔をされた。
「…名前嬢もじゅうぶん変な趣味ですね…」
いやお前の事だよ!!!!
はあ…やっぱり自分の事だって気づいてないのかな…
あー先が思いやられるー
「必ず…」
「ん?」
「必ず迎えに行きます…」
その瞬間、前髪にキスをされた
「っ?!ちょっと…!!」
「行きますよ」
「えっあ、うん…」
こうも綺麗にさっきのキスにふれられないと返事がしにくくなる…
必ず迎えに行きますっていうのは…
どういう意味…?
「…名前嬢に色々教えてもらったので、お礼をしたい。こちらへ来てください」
キッドはビルの端っこに立ち、こっちを向いた。
「…?何するの?」
「名前嬢のお好きなことを…♪」
「…?」
そのままキッドの前に立つ。
すると前からぎゅっと抱かれ、そのまま後ろへ倒れた。
「ちょっえっ?!待って!!やだ!この降り方やだって言ったじゃんんんんんきゃああああっ!!」
もう絶叫マシーンに乗る勢いだ
いつものごとくハンググライダーをだし、ようやく私も落ち着いた。
「紳士じゃない紳士じゃない紳士ない…」
「私はこの世にはめったにいないほど紳士ではないですか」
「紳士じゃなああああい!!!」
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