プロローグ
「名前ちゃん!上がっていいよ!」
「はい!お疲れ様でした〜!」
「お疲れ様ーっ!」
仕事が終わり、足早に向かう
職場から近い、狭くて古めの本屋さん。あまり人もおらず、落ち着く場所
楽しみにしていた新刊発売の本を探す。
お、発見ー!!
その本を持ってレジに向かい、さっそく購入して家に帰った。
ーーーー
「ただいま〜って誰もいないか」
ふぅ。と一息つき、自分の部屋に直行して荷物を床に落としながらベッドにダイブ。
ベッドに寝ると疲れがどっと一気に来る。疲れたなぁ。
両親は共働きで忙しく、なかなか全員揃うことはない。家は貧乏でもお金持ちでもなく、みんな仲がいい、ごく一般的な家庭だ。
「あ〜お腹空いたー……」
ただ、今は空腹より眠気
目を閉じると、瞼の重みに耐えきれず、そのまま寝入ってしまった。
「ん…寝ちゃった…!!」
あわてて起き上がり、部屋の時計を確認すると、0時を回っている
わー…もうこんな時間かあ。お父さんとお母さん、もう帰ってきてるかなあ?
重い腰を起こし、リビングへ向かうと灯りはついておらず、誰もいない様子
電気をつけ、ふとテーブルの上を見るとメモが置いてあった。
名前へ
今日はお父さんもお母さんも忙しくて、1日だけ出張に行って来ます。ごめんね。ご飯は冷蔵庫に入ってます。母より
「なんだぁ〜今日は二人とも帰って来ないのか」
なんて1人で呟きながら冷蔵庫を開け、温めたご飯を食べた。
「よし、寝る準備もできたし、寝るかな。」
自分の部屋へ行き、ベッドに上がろうとした時、先ほど買った漫画が目に入った。
明日は仕事が休みだから、明日読もうと思っていたけど……
「待ちきれない!今読もー!」
わくわくとベッドに入り、漫画を手に取り開く。
あ〜どんな展開になってるかなぁ〜!
「あーやっぱコナンいいなあ!面白い!キッド様が素敵ーっ!」
パタンと本を閉じ、気づいた。
完全に読み切ってしまった……
「このままいい気分で寝よー…」
漫画をそのまま枕元に置き、目を閉じた。
ーーーー
「うぅ………」
お腹が空いて、その気持ち悪さで起きた。
どんだけ寝ていたんだ。
まぁ休みだからいいかとあくびをすると、昨日読んだ漫画が目に入り、ある事に気づいた。
「なにこれ…」
全てはここから始まると、知る由もなくーーー。
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