08-3






「はい、つきましたよ」

「ありがとう…」

「…少し重くなったのでは?」

「ひどい!!変わってないよ!!」


くすくすと笑うキッドは夜の灯りに照らされていて、とてもきれいな顔立ちが目立った。


ほんと快斗の時とは大違いだな…
どうやったらこんなに変われるんだろう


キッドはビルの端っこに座って、夜空を眺めた。



「ほんと夜空を見るのが好きだね」

「こうやってあなたの前で眺めるのは初めてですよ?」

「あっ、そうだったね…」



そうだった…
夜空をいつも一緒に見ていたのは快斗の時だった。

私は快斗がキッドだって知ってるから……
ああー…



「めんどくっさ!!!」



いきなり叫ぶ私に少し驚いた表情をしながら、何がですか?と笑われた。

てきとーに返事を返し私もキッドの隣に座る。



「私もよく同級生と夜景見るよ、こうやって座って」

「…ほう。」

「どこで見ても変わらない夜空はやっぱり繋がってるんだなぁって思うよね」

「そうですね…」

「何を思って夜空を見てるの?」

「…女性の下着…ですかね」

「変な趣味!!」

「冗談ですよ…」


またくすくすと笑った。
最近、ポーカーフェイスじゃないように感じる。

私に本性を表したのかな…?
なんてにやついてると、気持ち悪いですよ、と言われた。

失礼!!



「私に対して紳士じゃない!!」

「何故か心が緩んでしまいますね」

「…どういう意味?」

「ふふ…私はある特定の人物に心が緩んでしまうんですよね」

「誰?」

「名探偵ですよ。」

「私じゃないんかい!!」

「あなたもですよ」


笑うキッドは私の髪の毛をくるくると指に巻き付け顔を近づけてきた。



「…っなに…っ近いよ…」

「…続き、しますか…?」

「…へっ?な、なんの…っ」

「この間は名探偵に邪魔をされましたからね…今なら邪魔は入りませんよ…?」

「あ、あの時は時間稼ぎでしょ…っ!?」

「それはどうでしょう…?」

「しっ…しない!続きしないよ!!私は好きな人がいるの!!……!!!」


言ってしまった…

つい言ってしまった…!!!

やばい…やばいやばいやばい…っ!!


告白したようなもんじゃないか!!


ドキドキしていると私から顔が離れていき、キッドは元の場所に戻った。




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