07-3
「っくしゅっ!!」
「大丈夫か?」
「大丈夫、寒いねやっぱり…」
「ほら、これ巻いとけっ」
快斗は自分が巻いていたマフラーを、私に巻いてくれた。
「あっ…ありがとうっ」
「おうよ!」
「そーいえば、なんで私がここにいるってわかったの?」
「青子が名前と電話してたのを聞いたんだよ。今までありがとうってワードで、きっとあいつは夜中の0時にあの木の元に行くなって思ってさ」
「そうだったんだ…お見通しだね」
「名前の事はなんでもお見通しだぜ?心も体も…」
「えー照れるなぁ……。……って体は見通さんでいいっ!!!」
どさくさに紛れて何言ってんだこいつは!!
「冗談冗談!ははっ。さ、送ってやるから早く帰ろうぜっ!ほら、荷物持ってやるよ」
「あっ、いいよいいよっ!」
なんて言ってる間に快斗の手に渡る。
お礼を言うと、柔らかい笑顔をしてくれた。
これでこそ快斗だね♪
「あー、なんか喉乾いた!帰りコンビニ寄っていい?寒いし、暖かいの飲みたい!」
「あっ、それなら俺買ってきたぞ!!」
言いながらごそごそと上着の両ポケットに手を突っ込む快斗。
「えっ!やったー♪」
ほらよ、とくれたのはホットココア。
快斗は自分の分もだし、飲み始めた。
その上着にペットボトル2本も入っていたなんて…気づかなかった…。
ドラ〇もんか!!
なんて快斗が知るわけもなく、心の中に留めておいた。
快斗、こっちに急いで向かってくる途中にコンビニで焦って買ってきてくれたのかな?
なんて想像するとすごく面白かった。
でも、優しいね。
すごく嬉しい。
そう思いながら、ホットココアのキャップを開けた。
快斗がくれたホットココアは、喉を通るとじんわりきて、
とっても、
とっても………
「ぬるい」
「あー、買ってから結構たったからなー」
「なんかぬるいとまずいー」
「文句言うなバーロー」
お互い見合って、
笑い合った。
そのまま快斗は私の家まで送ってくれた。
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