05-2
球技大会1日目、みんな気合が入っていて目の色が違う。
まずは青子のバレーからだ!
既にコート内にいる青子に、心からエールを送る。
「青子ーっ!頑張ってね!」
「頑張るーっ!!」
「負けんなよアホ子ー!!」
「うるさいバ快斗!!」
「こらこら二人とも…。ほら、快斗!始まるよ!!」
青子の鋭いサーブや、ディフェンス、アタック、レシーブ、全てにおいてきれっきれの青子に惚れそうになってしまう。
2人で大声をだし、青子のチーム、というより青子を応援する。
もちろん、周りのみんなもそれなりに大声で応援しているけど。
頑張れ青子!!
ーーーー
「礼っ!」
「ありがとうございました!」
「きゃーっ!!やったやったー!青子おめでとうーっ!」
「名前ーっ!勝ったよ〜っ!!」
笑顔で私に一直線に向かってくる青子は天使かってぐらい可愛い。
2人でハグをして喜んでいたが、そんな場合ではない事を思い出した。
「そうだ!快斗さっきサッカー行ったの!早く応援しに行かないと!!」
「そうなんだ…!行こう!結果も報告したいし!」
「でも、青子なら勝てるだろうってなぜか快斗が自信満々に言ってたよ!」
「なにそれー。ははっ」
2人でグラウンドに向かいながら喋っていると、窓から快斗がサッカーをしているのが見えた。
「あ!もう快斗やってる!急ご!!」
「嘘っ!急ぐ!!」
グラウンドに出ると、冷たい風が肌を刺す。
「グラウンドさっむ…!!青子、風邪引かないようにちゃんと上着着るんだよ!」
「はーい!」
「あ、いたいた快斗だ!快斗ーっ!!頑張れーっ!!」
「負けんなよー!バ快斗ー!!」
「るっせーアホ子!!」
サッカーをしているかっこいい快斗を少しでも拝もうと必死で見るが、快斗は女子に人気でなかなかよく見えない。
「黒羽君かっこよすぎ…!!」
「きゃーっ!黒羽君頑張ってーっ!!」
快斗はその声援に手を挙げ返事をする。
…なんだよ、みんな快斗に色目使っちゃってさー。私も見たいよー!!
と後ろでぴょんぴょん跳ねていると、アディショナルタイムが取られた。
「よく見えないうちにアディショナルタイム入っちゃった…」
「名前は背小さいもんね!私の前においで♪」
青子は私の肩を掴み、前に立たせてくれた。
すると快斗がこっちに向かって来るのが見える。
なんかあっちーとか言ってTシャツパタパタしてるし。
すると目の前がいきなり真っ暗になった。
「おっ?!」
わたわたして顔にかかったものを取ると、黒羽とネームが付いたジャージだった。
「わりぃ名前!それ俺のジャージ!持っといて!!」
「あ、うん、わかった…」
「あ、おめーはチビだからな、もっと前で俺の活躍見とけ♪」
そう言われ、腕をぐいっと引っ張られて無理やり前の方に座らされた。
「うわぁっ!?こんな…迷惑だよ…すみませんっ…」
とりあえず青子を呼んで両隣の人に謝ると、快斗君の彼女ですか?なんて聞かれた。
んなわけないだろがぃっ!!
その後すぐアディショナルタイムが終わり、試合が再開された。
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