04-4
「おいキッド!!…なっ!!」
大きなドアの音と共にコナン君が入ってきて、私達の状況をみるなり驚いた表情をしていた。
「おっと…邪魔が入ってしまったようですね…」
「…キッド…っ!てめえっ…!!」
もう少しだったのに…なんて悪いことを考えている私はただボーッとしていた。
「では、予告状通り頂き参りましたので、そろそろ行くことにしましょう」
そういうと私の腰を抱え、窓際に立った。
えっ…?!なぜ私は連れて行かれるの?!
びっくりしながらも、キッドに連れられるがままになっている私。
「おいっ!!名前は連れて行く必要ねえだろ!!」
「それはどうでしょう…?」
そういって、宝石を地面に置いた。
「えっ?」
「お、おい!どういうつもりだ…!?」
「これは狙っていた宝石ではありませんでしたのでお返し致します。では…また月下の元で……」
そういうと、窓際から外に背中を向け、立った状態でそのまま私ごと下へ落ちた。
「きゃあああ怖い怖い怖い〜っ!!」
するとバッとハンググライダーが出てきて、ふわっと宙を舞った。
「…さっきの宝石は偽物だったの…?」
「いいえ、本物でしたよ。ただ、私が狙っていたものと違っただけです」
「そうなんだ…で、なんで私は飛んでるの?」
もうキッドと一緒に舞うのは常連さんになってしまい、段々慣れてきてしまった。
「危なっかしい眠り姫ですからね…」
危なっかしい…
それ、よく快斗が私に言うやつだ…
なんか嬉しくなってしまい、クスッと笑ってしまった。
「恥ずかしがっている顔も、笑っている顔も、可憐ですね」
「えっ…」
恥ずかしがっている顔って、あ、あのちゅーされるかもしれなかった時のことか…!!
私はいっきに恥ずかしくなって、下を向いてしまった。
「思い出しちゃいましたか…?」
一瞬フッと笑うキッドに、意地悪をされた気分になる。
「…なんなのよっ、さっきの…絶対コナン君が来るまでの時間計算してあーいうことしたでしょ!?」
「さあ、どうでしょうねえ…?」
むぅ…っ!
イラッときた私は、
「私、ちゅ、ちゅーしたことないんだあ!人工呼吸されたことあるだけで!!」
って言ってやったんだ!!
しかし自分で言ったわりには恥ずかしい…
恐る恐るキッドの顔を見ると……
あれ?少し赤い…?
あれ、気のせいかな。
さすがポーカーフェイスだ。
よくわからん
これじゃあ私が恥をかいて終わってしまったじゃないか。
「それはそれは…」
…それはそれはなんだよ!
なんだよもー…つまんない反応ーっ。
なんてぶっすーとしていると、ある事に気がついた。
「ねえ、どこまで飛ぶの?」
もう倉庫からはだいぶ離れている
「少し、ご一緒しませんか…?」
「…ご一緒します……!」
キッドと空の旅だっ!
あの緑の服を来た空飛ぶ少年になったようだ。
そんな事より、疑問に思うことがあった。
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