04-3
その後、みんなで宝石の元へ向かうと、警備の人達が宝石の周りを囲んでいた。
「わあ、すごい人!」
「警備だけでこんなに人がいるのね〜」
私と蘭は驚いて見ていた。
「よし、そろそろ運ぶ準備をせい」
と次郎吉おじ様が部下に言うと部下は
作業員を呼び、みんな何も持っていないか警備の人にチェックをされる。
みんなOKがでると、さっそく警備の人が宝石に布をかぶせ、作業員が運び出すと、私達の方へ来た。
「今から厳重警備の元、下まで運びます。外でキッドに盗まれる可能性が高いと思われますので、下でお待ち頂けないでしょうか」
「おお、そうだな。もう少しで予告時間じゃ。みんなで下に行って待っていよう。」
「キッド様が…!?早く下へ向かいましょう!」
みんなで下へ向かうことになったが私はトイレがしたくなり、倉庫内にトイレがあるというので先にみんなに行っててもらうことにした。
「トイレトイレ…」
広いなぁと関心しつつ、トイレを済ませ出た瞬間、携帯の着信音が鳴った。
「コナン君だ!…もしもし?どうしたの?」
「名前お姉ちゃん!いまどこ?!」
「トイレから出たばっかだけど…」
「さっきエレベーターに乗っている途中に、警備の人に全員出ましたって電話が来たんだけど、宝石が届いていないんだ!!もしかしたら電話してきた警備の人がキッドかもしれない!!名前お姉ちゃん、様子を見に行って!!僕も今向かってるから!!」
「えっ?!わかった!すぐ行く!!」
電話を切ると、走って宝石があった倉庫へ向かった。
キッドには捕まって欲しくないけど、
それより宝石を守らなきゃ…!
そんな簡単に捕まるようなやつじゃないしね…!
そしてその倉庫へ勢いよく入ると、キッドが宝石を持って窓から飛ぶところだった。
「キッド…!」
「おや、見つかってしまいましたね…こんばんは、眠り姫」
とわざわざこっちに戻ってきて手の甲へキスをした。
眠り姫って…やっぱり覚えてたんだ私の事……!
「だっ、だめだよっ!それ盗んじゃっ…!」
「……」
……?黙っちゃった…もしかして私の説得力に負けちゃった?
なんて自惚れていると、キッドは私の顔を近くでじっと見つめてきた。
近いっ…!!
目をそらすと、私の顎がふわっと持ち上がった。
「えっ…ちょっと…っ!」
「こっちを見てください…」
えっえっ何?!
何この状況……!!
嬉しい…
じゃなくて…!!
ドキドキと心臓が鳴り止まない。
そのままキッドは目を瞑り、こっちへ顔を近づけてくる。
えっ?!えっ?!
キッ、キス…?!
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