01-3







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「23時30分……」


色々考えたり用意しているとあっと言う間に過ぎる時間


「よし、そろそろ出よう…」




決心した心は、帰って来れるかどうかの不安より、会える期待の方が大きかった。

ここから桜の木がある公園へは約25分。

JRと歩きで着くはずだ。



「いってきます…!」


誰もいない玄関で、静かな家に決心した。













ーーーー

「ついた…」


きれいな夜空に舞う桜は、願いを叶えてくれそうで。



再び大きな決心をし、桜の木の元へ。



「よし…っ!」


静かに目を瞑った。




キッドに会いたい………


会いたいっ


会う!!



























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そっと目を開けた。


周りを見渡すと、さっきと同じ光景


「はぁ。やっぱりいけるはずないんだよね…」



残念だったが、諦めがついた。


荷物を持ち直し公園をでると、周りが何か違う

そこには、見たことない光景が広がっている。



えっ嘘っ…?

どこ?ここ…


まさかほんとにコナンの世界…?


あたりをキョロキョロ見回すが、不審者だと思ったのか近くの交番から警察の人に声を掛けられた。



「ちょっといいですか?そんな大きな荷物を持って、家出かい?」


「あ、いえ…!旅行に行こうと思ってたんですが、道に迷っちゃって…この公園で一休みしようと思ったら寝ちゃって、この時間になっちゃいました…」



見事に苦しい嘘だ



「……そうでしたか。この時間は危ないから、今日は一回家に帰ってまた明日にしなさい」


「まだこっちに引っ越してきたばっかりで、家の場所も忘れちゃって…」

引っ越したばかりで家の場所もわからないのに、旅行に行くやつなどそうそういない。

バレるのではないかと、内心ドキドキした。

「そうですかー…んー…」




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