01-2
時計の針が重なる時。
それは1日に4回ある。
0時00分
6時30分
12時00分
18時30分
でも夜桜というのだから……
きっと0時
18時半じゃ早すぎる。
「新の世界……」
それはきっと、コナンの世界
だってコナンの漫画にこのカードが挟まってたんだから。
なんてこんな推測であってんのかな?
そして夜桜…あそこの公園に大きな桜の木が1本ある。
あそこかもしれない
要するに……
今日、夜中0時にあそこの桜の木の元へ行けば、コナンの世界へ行ける。
「……ほんとかな……」
ちょっと母に電話しよう…
ドキドキ高鳴る心を落ち着かせ、謎を解いた事を母に伝えるため再度電話をすると、すぐに出た。
『もしもし?もうわかったの?』
母に謎解きを披露し、今日の夜中、公園の木の元へ行っていいか聞いた。
『危ないし、だめよ。それに、エイプリルフールって書いてあるんでしょ?きっと嘘よ』
「えー!わかんないけどさ、とりあえず行ってみたいの!」
『帰って来れるの?』
「えっ……」
ドキッとした。
もし行けたとしても、こっちの世界に帰って来れるのだろうか。
「わからない……でも、もし新しい世界があるなら、行ってみたい。また絶対戻ってくるから。行けるなら………お願い。」
絶対帰って来る、なんて正直わからない。
でも、私の大好きなコナンの世界
行けるのならば、行ってみたい。
もしエイプリルフールの嘘ならば、帰ってくればいいだけ。
でも“信じる者は”って書いてあった。
もしかして……私の人生が大きく変わるかもしれない。
そんなチャンス、逃したくない。
必死に強く、母にお願いした。
『……まだ行けるのかもわからないけど…………わかった。私達はあなたを寂しがらせてばっかりね。心配だけど、行ってみておいで。でも、絶対に帰る方法も探すのよ!絶対絶対、怪我と病気はしないでね…』
「いいの?!ありがとう!絶対、帰ってくる!今日満開のはずだから、今日の夜、行ってくるね!!連絡もできたらするし、どのくらいいなくなるかわからないけど…帰ってくるから!」
『自慢の娘だからね、信用してるわ。気をつけてね』
「うん、じゃあ、心の準備する!…じゃあね」
『ほんとに、気をつけてね。いってらっしゃい』
「いってきます…!」
よし、心の準備をしよう。
そして、まず何をしたらいいか考えよう。
今日の夜中、0時に着くように家を出る。
お金をできるだけおろして、職場にも電話しなきゃ。
父さんには、母から連絡してくれるはず。
一息つき、決心した。
必ずキッドと会って、戻ってくる…!
疑問は溢れるほどあるが、とりあえず決行してみる事にした。
prev|
next