それから少しして、透きとおった青空には親鳥と雛が仲良く飛んでいた。その様子を、寝そべっている俺と木に凭れかかっているルーチェの2人が、ただ眺めている。
雛が巣から飛び出した瞬間、ルーチェは我が事のように嬉しそうに微笑み、そしてずっと胸の前で握りしめていた手をゆっくり解いた。
そしてその手を大きく膨らんだおなかの上に置いて、子どもにもこの感動を伝えようとしているようだった。
一切言葉は交わしていない。
だがそんな空間が、とても穏やかで、何もかもが青空に吸い込まれていくように感じた。
―――――――――――――――
「私、今日リボーンとここに来れて本当に良かったわ。今日、一緒に見たこと、話したこと、感じたこと。きっとずっと忘れない。」
帰り際、ルーチェは俺を笑顔で見上げてそう言った。
「とても温かで幸せな気分になったわ。今日は付き合ってくれてありがとう」
その言葉と共に、ルーチェは来た道の方へ体を向けて歩き出した。
また前方を揺れ動きだした白を見つめながら、俺はそっとあの青空に想いを馳せた。
俺も、
共に君とこの青空のしたで
(笑って、穏やかな時を過ごせて幸せだった。)
(ありがとう、は俺の台詞だ)
→