目的地に着いて早々、ルーチェは木陰を見つけると、スカートの裾に気をつけながら腰を下ろした。
「ぽかぽかしていて本当に良い天気ね。」
「そうだな」
「ふふふっ、元気そうで良かった」
嬉しそうに笑うルーチェの視線を辿ってみれば、そこに巣と思わしきものがあり、雛が親鳥の帰りを今か今かと待っているようだった。
「むしろ元気すぎて落ちてしまいそうだな」
「そうしたら、今度はリボーンがよろしくね?」
要は、俺が雛を助けろと……ヒットマンに言うような言葉では断じてない。
けれど、
「仕方ねぇな」
結局、彼女の頼みを断れない俺がいる。
人はこれを、先に惚れた方の負け、だというのだろうか。
だが、そういうものとは断じて違うのだと……そう信じていたい。
→