「まいったなッ…締め切りが迫っているのに…」 僕は頭を抱え、机に向かって頭を垂れながら思い悩む。 今までレイミの為に用意した離乳食…哺乳瓶…ベビー服…それからオムツまで…全部片付けなければいけない。 そうだ今ならジョースターさんに全部譲って……いやいや、僕のプライドに傷がつく。それにクソッたれの仗助に笑われるのはごめんだ。 かといって知り合いに赤ん坊がいる奴なんて僕に居るわけない。(知り合いは造るタチじゃあないからね) はあ、仕方ない。資料に取っておくか… 大きな溜め息を吐いて机から立ち上がり、レイミの居るリビングへと向かった。 「ろはんちゃん。つかれてるの?」 まだあまり聞きなれない(何せ唐突に成長したから)声に、袖を摘ままれた仕草にビクッと思わず体が反応する。 「君って奴は本当に…ッ…」 頬をつねってやりたいが、また一日中泣き叫ばれたら困る。それに締め切りだってある。僕には珍しくね。 「…わかったわ…おとなしくしてるからおこらないで」 その潔さに何故か何も言えない。何故だろうか…やはり杉元鈴美に姿を重ね、見てしまうからか… 「僕は締め切りがあるから、頼むから大人しくしていてくれよ?レイミ」 「うん!ろはんちゃん!」 レイミ、と名前を呼ぶときだけ元気になるのは何故なのだろう…やはり分からない。疑問だらけで頭がいっぱいになる。 |