岸辺露伴は触れない07 | ナノ


「まいったなッ…締め切りが迫っているのに…」

僕は頭を抱え、机に向かって頭を垂れながら思い悩む。
今までレイミの為に用意した離乳食…哺乳瓶…ベビー服…それからオムツまで…全部片付けなければいけない。

そうだ今ならジョースターさんに全部譲って……いやいや、僕のプライドに傷がつく。それにクソッたれの仗助に笑われるのはごめんだ。
かといって知り合いに赤ん坊がいる奴なんて僕に居るわけない。(知り合いは造るタチじゃあないからね)
 

はあ、仕方ない。資料に取っておくか…
大きな溜め息を吐いて机から立ち上がり、レイミの居るリビングへと向かった。
「ろはんちゃん。つかれてるの?」


まだあまり聞きなれない(何せ唐突に成長したから)声に、袖を摘ままれた仕草にビクッと思わず体が反応する。

「君って奴は本当に…ッ…」

頬をつねってやりたいが、また一日中泣き叫ばれたら困る。それに締め切りだってある。僕には珍しくね。

「…わかったわ…おとなしくしてるからおこらないで」

その潔さに何故か何も言えない。何故だろうか…やはり杉元鈴美に姿を重ね、見てしまうからか…  

「僕は締め切りがあるから、頼むから大人しくしていてくれよ?レイミ」

「うん!ろはんちゃん!」

レイミ、と名前を呼ぶときだけ元気になるのは何故なのだろう…やはり分からない。疑問だらけで頭がいっぱいになる。