寝室で寝ているレイミの様子を見に直したばかりのフローリングの床をギシギシと鳴らしながら寝室まで足を進めた。 そろそろ腹を空かして泣く頃だと思いながら。 「…ん?おかしいな」 なんだか様子がおかしいな。 いつもならばギャーギャー騒ぐはずなのだが…レイミの声が聞こえない。 それどころか静かなのだ。 「レイミ…ッ!!」 僕は慌てて寝室のドアを勢いよく開けた。ドアが壊れてしまおうが気にしなかった。いつも騒ぐレイミの声が聞こえてこないのが怖くてどうして良いか分からなく、不安だったからだ。 辺りを見回してレイミを探した。 ベッドの下や、机の下、クローゼットの中までくまなく探した。 「うー…」 窓を開けてベランダを探しているとどこからか小さく泣くレイミの声が聞こえた。僕は焦りながらもう一度ベッドの方へ走り、まさかと思い、布団を勢いよく捲ってみた。 僕の思った通り、レイミは僕の布団の中で目を真っ赤にしながら泣いていた。 僕は一安心し、レイミを抱き上げてあやした。…しかし何かが可笑しい。 抱き上げたのは良いがいつもよりもレイミが重い気がする。 「ん…?」 それに一回り大きくなったような… 僕は彼女の体を調べてみた。 すると… 「ろはん」 誰かが僕の名前を呼んだ。 回りを見回してみたが居るはずがない。 僕の家は人の出入りなんて滅多にないのだから。それに人を呼んだ覚えなんてない。 「まさか…!」 「ろはんっ!ろはんちゃん!」 「レイミが呼んだのか…!?」 そんな馬鹿な!? レイミはまだ離乳食しか食べられない赤ん坊だぞ!?しゃべれる筈がない…! なのに僕の事を「ろはん」と呼んだ。 「ろはんちゃん!ろはんちゃん」 しかも大きくなっている しかし何故「ちゃん」を付けるんだ! せっかく着せてやった服は案の定、ビリビリ。 ああ、何なんだこの赤ん坊は…。 |