「ん…?今日は何曜日だ?」 ふと壁に立て掛けてあるカレンダーを見てみる。今日は土曜日…しまった。 今日は康一君が来る日だ…! ヤバいぞ…レイミの事を話していない 絶対疑われる…! 「あうう〜?」 何も知らない彼女は僕の手をギュッと握りぶんぶん振っていた。 ピンポーン。 呼び鈴が鳴り、聞き覚えのある声が聞こえてくる。 「露伴せんせ―?開けますよー!」 ヤバいヤバいヤバい! とりあえずレイミを隠さなくては! しかも見えないところに! 「露伴先生、入りますよ?」 「や…やあ康一君」 「なんだぁ、居るじゃないですか。居るなら返事して下さいよ〜」 「ご…ごめんよ。仕事が詰まっていたものでね…ははは」 「大変なんですね。…あれ?原稿一枚落ちてますよ?拾わないと」 「わああーっ!!!あ…あれは拾わなくて大丈夫だ!!後で拾うからね」 「ペンも落ちてる…先生、大切な仕事道具なんでしょ(~・ω・)?」 「あー…!(しまった!散らかしっぱなしだった)ごほんッ!康一君、今日は良い天気だねぇ。カフェ・ドゥ・マゴにでも行かないかい?」 「晴れ?今日は雨ですよ?先生。本当に大丈夫ですか?いつもより焦ってる気が…」 「あぶぅ…」 「え?」 「ゲッ!!!」 「今赤ん坊の声が…」 康一君は怪しんでいる。 凄く怪しんでいる。 レイミを寝室に隠して、ちゃんと寝室に鍵を掛けて来たよな??僕はちょっと焦った。 「え…先生…まさか」 「今丁度赤ん坊の資料を見ていた最中でね…ビデオを付けっぱなしだったのかなぁ」 うまく誤魔化そうとしたが逆に疑われた。 「資料…?だったら透明の赤ちゃんを参考にすれば良いじゃないですか…なんか隠してません?先生」 康一君はこういうところが鋭いんだから困るんだよな…っ 「いや…何も…?」 「そうですか…」 「あーぶぅ!ぱーぱ!」 「え!?」 いつの間に!?どうやって寝室から出てきたんだ??何で僕の足を掴んでいるんだ! 僕は焦った。それに覚えさせていないはずの「パパ」という単語が出てきたから特に驚いた。 「パパぁ!?露伴先生!いつの間にこんな赤ん坊を!」 「ち…違うんだ!康一君!」 「何が違うんですか!まさか鈴美さんと…!?」 「ヘブンズドアー!!!」 思わず僕は康一君にヘブンズドアーをかけてしまった。一応口封じ?は出来たが… 康一君にだけは真実を離そうと決めた。 「解除…と」 ………… 「拾ったぁ?!」 「ああ。玄関のとこに居たのでな。仕方ないから僕が育ててる。いつかは警察に届けるつもりさ。…いつかはな…」 「おかしな話ですね。捨てたなら母親か誰かが探しに来るのに…」 「…この子は不思議な能力を持ってるんだ…スタンド使いじゃあない」 「え?」 康一君に全てを話すと快く聞いてくれた。 「まさか、とは思うんですけど…鈴美さんの生まれ変わりじゃないですか?」 「生まれ変わり?」 康一君曰く、輪廻転生という言葉があるらしく、成仏した後に魂が帰ってきて別のモノに移り変わるらしい。 この間の夢はきっとそうだ。 「良かったじゃないですか!」 「…そうだな…」 康一君は嬉しそうに言ったが、僕は少し残念だった。杉本鈴美が成仏した。と信じたらもう彼女は帰っては来ない。魂が帰ってきたとしても…レイミは鈴美じゃないからだ…。 「あぶ…」 レイミは寂しそうな目で僕を見た… |