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明日は記念日。
…何の記念日って…?
私が吸血鬼になった記念日です。
1882年のあの日…ジュディの血を浴びたから私は吸血鬼になりました。
「あー!朝日浴びたい!日光浴したい!ビーチ行きたい!!外に出たい!」
朝からカーテンの閉まった部屋に籠りっぱなし…乙女台無しだわ。
「騒がしいな…何なんだ」
「…お腹空いただけです…」
DIOは不機嫌そうに起きてきた。
腹が空いたなんて嘘。私のお腹はむしろ満腹だ。
「腹が空いたならばコイツの血を吸え」
そう言うってドサッと渡されたのは生身の人間。しかも女性。
「…要りません…」
頑なに断り、そっぽを向いて窓を見つめた。こんな生身の人間から血を吸えるわけないじゃないですか…急に吸血鬼になったんだから。
「いい加減に慣れたらどうだ…ジュディはもうこのDIOの部下だぞ?」
「…好きでなった訳じゃないわ…」
DIOは気に入らなさそうに私をちらりと見て「だったら…」と呟いた。
DIOはいきなり私に飛び付いてきた。
滅多にそんなことはしないのに。
「今この時間をDIOに捧げろ」
「…は…?」
頭が真っ白になった。
いきなり抱きつかれ、しかも強くそして時間を捧げろと言われたのだから…
「こうして居たいだけなのだ」
私は少し訳が分からなかったが
今だけならば良いと思い、DIOの言葉に従ってみた。
「…少しだけなら…」
その台詞を吐いた三分後に私が眠りに入ったのは言うまでもない。