カーズ/甘夢

目覚めたのは寝苦しい3時半。
いつもこの時間に目覚めてしまう。
何故か、目覚めてしまうのだ。

側に居るのはいつもなまえ。
スーッスーッ、と寝息を静かに立て
このカーズに絡み付いて眠るのが日常らしい。

うむ……
喉が乾いた。どうするか…
キッチン、には遠いな。しかし喉が乾いた。
なまえを起こしても良いが可愛相だ。

仕方ない。アレをするか。

「…っ!痛っ!!!!!」

「…何?……っ痛いな〜〜…あ!!」

謎の痛みに目が覚め、手元を見てみれば
カーズが私の指を噛んでいたのだ。

どうりで痛いわけだ。

「カーズぅ…痛いよ。勝手に指を食べない!」

めっ!とペットを叱るようにカーズに
お叱りを入れてみたのだが、全然離してくれない。

「……っ痛あ…ねえカーズ……離して?ね?」

カーズの歯が当たるのだろうか。
指先の柔らかい皮膚に固いものが当たっているのが分かる。

「やはり、なまえの血は美味い」

「……っもう。アンタ吸血鬼じゃないでしょう?」
「喉が乾いたのだ。少しくらいよいだろ」

はいはい。 
軽く笑い、カーズを撫でた。
 
「ちょっとだけ、だよ?眠いんだから。あとね、私だけにしなよ?指食べるの」


「なまえ以外はやらん」

さりげなく嬉しいことを言ってくれた。
何だか得した気分。

ふふふっと笑うとカーズは
キョトンとした表情で「何故笑うの?」と私の顔を覗きこんできた。

すると私はこう答える。

「なんでもないよ」と。

しあわせってこう言うのかな?
温かい気持ちに包み込まれた午前5時。




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お待たせしてごめんなさい!
甘く…ない!ですね、これは。

オチがないですが、気に入ってもらえれば幸いです!

この度はリクエストありがとうございました!





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