やるきなさ男/館サイドの日常/能力を解除され、館を去る

「俺を…ッ解放しないでくれ………ッ!」

痛い。痛い。痛い。
あの人の印が無くなる。
やめてくれ。あの時の幸福感を俺から奪わないでくれ
DIO 様!!



*****
……あれはいつだったか?
俺は全てに於いて平凡で普通の30代。男。
そんな生活をしていた頃だ。

くじ引きでたまたま当たった
エジプト旅行券を握り締めワザワザ飛行機まで乗って
遥々エジプトまできた時の話だ。

夜の町でも散歩しよう、そう言って歩いていた。
ふと気がつけば知らない場所まで来てしまった。

その時だ、あの方に力を貰ったのは。


「…痛い」

目が覚めて気が付いたら知らない館に居た。
誰か居ないのか、と叫んでも、自分の声が木霊して帰ってくるだけだった。とにかく出たい。如何にも怪しい此処から

そう思って足を動かそうとした時だ。
動かない。寧ろ何故か膝まずいて居たのだ。

「ようこそ…私の館へ……」

俺が膝間付いている方向から聞こえる知らない声。
そして冷たい手が俺の顔に触れる。声が出ない。

恐怖した……だけどその声が、格好が、全てが平凡な俺からは輝いて見えてしまったんだ。

「疲れたろう?休むがいい…明日からは私の仲間だ」

平凡すぎる…何に対してもやる気の出せなかった俺が、その方の言葉を聞いて服従したのだ。

次の日からは帰国なんて関係無く、この館が俺の居場所になった。

まず朝にペット・ショップに餌をやることから始まる。可愛いから嫌いではないが、たまにつつかれるのは痛い。

テレンス、という執事はきついことばかり言うがゲームをするときだけは素直なやつで中身はそんなに悪くない。

ヴァニラは無口ではあるがなかなか優しい面がある。

女性人は俺に冷たい。だけど最近はタバコも分けてくれるし酒だって一緒に飲んでくれる。

結構充実した生活をしている。

このまま天寿を全うしても良いくらいだ。


なんて考えている頃だ。アイツが俺の生活を奪い、
俺があの方に解放されたのは……

館を…奪われ、たくさんの仲間を喪い。
共に過ごした時間が一瞬にして流星のように散ってしまった。悲しさもなく、嬉しさもなく、虚しさも消え去り…ー

ああ、あの方の能力で俺の時間を止めてくれ……

…俺は「DIO 」に解放された瞬間、
居場所を失った。


館の窓の隙間から射す光が俺の影をつくり、余計に虚しさが増す。


そして、膝を起こし、フラりと歩き出す……………
DIO様に…また会えると信じながら…ー








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お待たせしてごめんなさい!!   

最後の方がシリアスになってしまった上に
文章纏まり無っ!!うわっ私の文章力低すぎっ(古)←

お気に召す作品になっていれば幸いです!


この度はリクエストありがとうございました!




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