フーゴかイルーゾォで両片思い

私は…
寂しかったのかもしれない

だからアイツを、拒んでた。



…私の父は良く言っていた。

「引かれ会う人は必ず居るから」と…


もし、もしもその引かれ会う人がアイツなら…フーゴなら…私は。どうしてあの人の事を否定してしまうんだろう。


…全く私はドジな奴だ。
敵の罠にまんまと掛かって敵のアジトに捕まるなんて。

寒い…
いつもならフーゴのそばにいて
下らない冗談やギャグやらで…自然と暖かくなるのに…
アイツが側に居るだけで暖かくなるのに

「フーゴ…」

私は自分の膝を抱え込み、冷たい体を暖めようと必死に丸くなった。独りは嫌いだ。涙が出る。 どうせフーゴは私のことなんか嫌いだから助けに来ないだろう。

脱出しようにも私じゃ相手にならない大男がたくさん居る。

ああ寒い…誰か……

「うわっ!」
「誰だテメー!!」


「なまえ!此処に居るんだろ!」

聞き覚えのある…やさしい、男の人の声
泣きそうになる。

目を瞑っている間に周りにいた筈の大男は背中を向け、バラバラに倒れていた。

「何やってんだ。全くドジでバカな奴だ。さっさと帰るぞなまえ」

まさか助けに来るなんて思わず、目をぱちくりさせる。
私は涙を隠すためにわざとそっぽを向いてフーゴの声が聞こえなかったふりをした。

「…どうせ私の事なんて嫌いなんでしょ?!バカフーゴ!!」

「何言ってんだ、ほら!」


その場に腰が抜けてぺたんと座り込んでいた私の手を縛っていたロープを切り離し、フーゴは私を抱き締めてくれた。強く強く…
「なんで無茶をしたんだ!馬鹿っ!!」

「…自分で、立てる……」

触れようとしたが、いつもみたいに拒んだ。本当は、触れたかったんだ。大きな手に…柔らかい手に…

「素直じゃない奴だな…全く人の親切を無下にして」

「うるさい!」

また、口々に言うのはお互いの悪いところ。

素直に、なりたい。
本当はありがとう、って言いたい。 助けてくれてありがとうって…来てくれてありがとうって……

分かっている。

でも…口に出せないんだ。

「必ず助けるって…決めたんだ」

「え……?」

「なまえは僕にとって大事な人なんだから…!」


「それって……っ」

初めて聞いたフーゴの口から私の事を…!
なんで高鳴るんだ。心臓が…!
だって私、フーゴにとって必要じゃないと思っていたのに…!

どうしよう…どうしよう。
ずうっと私、フーゴに想われてたんだ。

嬉しい…涙止まらない。

「僕が君を好きじゃ駄目か…?」

「そんなこと、ない!」

素直になれなかった自分の気持ちに素直になり、
私はフーゴに抱きつき、熱く口づけを交わした。


ひとつ、ふたつ

(好きになっていく)




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お待たせしてごめんなさい!

イルーゾォかフーゴか迷いましたが、フーゴにしました!
両片想いになっていれば幸いです。

この度はリクエストありがとうございました!




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