ディオの弟に転生/妻子持ち/兄弟愛

僕の名前はなまえ…三十路を過ぎたごく普通の人間


僕は今、幸せな日々を過ごしている。
つい最近結婚をし、子供も産まれたばかり。
掛け替えのない妻と、そして愛しい我が子。
なんて幸せな日々を送っているのだろう。

目が覚めたら美しい妻が傍らにいて、子供も居る。まさかジョジョの世界に転生していたなんてとても信じられない。
夢かと思い、頬をつねってみるが…痛い。しかも少し若い。ああ…ー若いっていいな
「何を馬鹿なことをしているの?」と妻に笑われた。

そんな妻は顔が濃くて、ちゃんと目力があるし、原作らしいオノマトペが飛び交う世界…鏡を見れば自分の顔も原作らしい顔立ち。
…本当にジョジョの世界に飛んだんだ。しかも一部の世界に。
ビックリだ。


普通は帰りたい、って思うんだろうな…だけど僕はこの生活が気に入っている。
平凡に…ただ平凡に暮らしたい。
そう願っているのだ。


ただ……

「なまえ」

「あなた…お義兄さんが…」

ああ、彼に呼ばれた。
行かなければ…。

「大丈夫だよ。すぐ行くさ」

愛しい妻に弱々しく返事をして部屋のドアを開け、玄関へと向かう。

そう。僕には気掛かりになっている事が一つだけある。それは転生先が、ブランドー家でしかも、あのディオ・ブランドーの弟だったことだ。

「返事くらいしたらどうなんだ」
「ごめんよ…兄さん」

玄関で呼ばれ、行ってみればそこには変わらぬ佇まいの兄…ディオの姿があった。
一本一本が光が当たる度に星のように煌めく金髪に宝石の様に青い瞳…僕とは違うオーラに、声質。原作のままだ。
それに対し僕は銀髪だし、暗い黒い瞳に、兄とは全く違う輝かないオーラ…
本当に僕らは兄弟なんだろうかと疑ってしまうくらいだ。

"何を怯える必要があるんだ。実の兄だぞ?"
僕のこころに問いかける僕自信に"ああ、大丈夫さ"と目をつむりながら軽く返事をする。

ディオ…兄さん
不思議な感じだ。

だけどきっと嫌われているんだろうな…
態度で分かるさ。目付き、仕草、…その他行動… 
当たり前だよ。ディオは平凡なやつは大嫌いだし、ましてや僕のような奴なんか。


「なまえは良いな…美しい妻恵まれて…楽しく過ごしているのだからな」

「そんなことはないよ、兄さん」

ハハハ、と軽く笑い話を流した。
確かに妻は美しく、愛しい我が子も居て、ディオから見たら羨ましいのか…ー
だけど、言葉には感情が籠っていないのがすぐ分かる。
やはり、嫌われているんだろうな。僕は。

「僕が女だったらなまえと結婚していたのになァ…」
「え?」

衝撃の一言が聞こえたような気がした。
聞き間違えじゃない。

「ああ、本当に羨ましいな…その美しい髪を俺のものに出来…身体…瞳……すべてー毎晩のように愛撫出来たろうに…本当に奥さんが羨ましい」

「兄さ……ー」

「なァ…なまえ」

そう言うと、兄さんは…ディオは僕に顔を近づけて限界までカッと目を見開きながら僕の耳に軽く唇を当ててきた。

「全て俺のものになれば良かったんだ…」


ゾクリ…ー
身の毛が弥立つ程に恐ろしい気配が僕の耳から背中に伝ったてきた。原作で言えば顔に青い筋がかかったような…そんな感じだ。

嫌だ。
僕はディオのものにはなりたくない…!
僕は平凡に暮らしたいんだ!妻と子供に恵まれたこの″幸せ″を失いたくはない…!引き込まれてたまるか!

僕は胸に思いを固く誓い、苦い顔をしながらディオ…兄さんにこう答えた。

「兄さんには、従わないよ…ー」

そう僕に言われたディオの顔は、笑っているのか、怒っているのかわからないくらいに難しい顔をしていて…ああこれはもうディオの執念は僕に向いたな、と分かった。

そうか、と1つ返事をしたディオは僕の家を去っていった。
その背中を見ながら妻と子供に「大丈夫さ」と答え僕はまた、平凡な日常に戻ったのだった。



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お待たせしてごめんなさい!
色々間違っているかもしれませんが
読んでいただけると幸いです!

この度はリクエストありがとうございました!







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