ナランチャで甘
「ごめんて?な、なまえ!」
悠々と話しかけてきたのはちょっと頭が冴えない、だけども私達の大切な仲間、そして弟みたいな存在のナランチャ。 なぜ謝られたかって?私達は今、絶賛喧嘩中なんです。
なんでかって? だって、いつも阿呆のようにをなに考えてるか分からないから少し隙を見せたら、私の大切にしてたブリキの缶の中の御菓子、食べちゃったんだから! それを平謝りでヘコヘコするなんて許さない!許すわけないじゃない!
どうしてブチャラティはこのような人をギャングに率いれたのか…
ああやっぱり分からない。
「うるさいよ!あっちいって!」
「え?なにが?なにが?」
ああ、イライラする… 思い出すだけで泣きそうだ。 本当に楽しみにしてたのに…
「その態度」 「…あー…コレ」
今も口の中でコロコロ、コロコロと飴を舐めながら、 私の顔色を伺っている。謝る気あるのかな。 その仕草…その音が気に入らない。
カリッ 口の中で転がしていた飴を歯で 砕いたかと思えば、何を思ったのか 口から出して私に見せてきた。
「悪いなまえ。コレで許してくれ。俺さ〜…昔から謝るとか、許すとか分からなくて…これなら、なまえ許してくれるかなって…」
ニヒヒッと口角を上げて笑うナランチャに あきれてしまう私が居た。
ナランチャの手のひらには半分舐めた飴が コロリと転がる。ほんのり甘い、イチゴのあめ玉。
「…変なやつ…」
「あー!なまえ、今笑った!?可愛い!もう一回笑ってよ」
「は!?な…何を言って!!」
「その顔ってことは…許してくれたのか!?」
「ちが……っ」
やったー!と大喜びで跳ね回る ナランチャを見て私はまた口をあんぐり開けた。 なんだか…ナランチャの嬉しそうな姿見たら 今まで何に怒ったかわからないや。
「…ナランチャ、許す」
「え!?ホンとか!良かった〜ー!なまえに嫌われたら俺、どうしようかと思ったぜ〜……」
はあー〜と肩の力を抜くナランチャが何だか 愛らしくみえたので抱きつくことにした。
「やっぱり好き!ナランチャ!」 「はぁ〜!?こ、ここで言うか!?フツー!」
照れるナランチャの横で私は彼から貰った 半分のあめ玉を「エヘヘ」と少し笑みながら口に含み、 軽くナランチャの頬っぺたにキスをした。
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お待たせしてごめんなさい!
ナランチャらしさが出ていたら幸いです。
この度は リクエストありがとうございました!
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