「お前・・・・誰だ」
オレはとっさに男の姿になった。
なぜって。危険に感じたからさ。コイツは危険だ、絶対DIOの関係者だってな。
「そうそう私の知り合いが首筋にこれと同じ形のアザを持っていたな・・・・・」
オレ達はその言葉を聞いただけでコイツがなんなのか良くわかった。
ただならぬ雰囲気の殺気。それに普通じゃない目つき。すぐにわかった。
「貴様・・・新手の・・・・」
花京院が最初に口を開いた。やはりわかるようだ。
そいつは首筋に人参を貼り付けて此方に何かを見せてきた。
すると
さっき出てきた料理の汁が、ゴボゴボと音を立て、そこから何かが出てきた。ジョセ爺の目の前に現れたそれは剣のような形に見えた。いや、フェンシングのレイピアのようにも見えた。
「スタンドだッ!」
そのスタンドの剣のようなものは、とてつもない速さだったため、動きが見えにくかった。咄嗟にジョセ爺は義手である左手で自分を庇う。私はジョセ爺を受け止め、守った。
アヴドゥルが自身のスタンドである『魔術師の赤』を出して抵抗するが相手のスタンドが其れを防いだ。
「なにッ!」
相手のスタンドは初めて見る形をしていた。
まるで甲冑を着た中世ヨーロッパの騎士のような。
そしてさっき見えた剣のような先っちょにはアブドゥルの『魔術師の赤』の炎が揺らめいていた。
「な・・・なんという剣さばきッ!」
先に口を開いたのはこっちだった。
圧倒的な速さに皆驚いていた。
「おれの『スタンド』は戦車のカードを持つ『銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)』!」
「・・・・名のらしていただこうJ・P(ジャン・ピエール)ポルナレフ」
オレは圧倒的な空気にただ息を呑むことしか出来なかった。
ひょこりと現れた観光客がいま、目の前でアブドゥルと戦いを繰り広げようとしていることに。
その「ポルナレフ」とかいう外人は、コインを投げ、見事に剣に突き刺すという大技を俺たちに見せた。よく見ればアブドゥルの『魔術師の赤』の炎をコインに取り込んでいた。
あまり相手をしたくない。『魔術師の赤』では勝てないかもしれない、と心で思ってしまったが、だけど手を出すわけにはいかなかった。
「全員表へ出ろ!順番に切り刻んでやる!」
俺らは一般人を巻き込むわけにはいかない。
おとなしくポルナレフについていった場所は見事な彫刻が建つ観光スポット。「タイガーバームガーデン」だった。
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