▼ 溶けてしまいそうな
私には気になるやつがいる。
そいつはちょっとアホでバカで
頭が悪くて誰にもへらへらして…
ろくでなしなやつなんだ
名前は虹村億泰
背はあまり高くないし
顔だって…正直タイプじゃない。
なのに…なのに何でなんだろう?
そいつを見ると
高鳴る胸の鼓動はいつも煩く鳴り響く。
バクバク、バクバク…
振り向いて欲しくてただただ鳴り響く。
何でなのかな。
「仗助ェ!帰ろうぜェ」
「おうよ」
「ちょっと!億泰!あんた掃除当番でしょうが!」
「ゲ!ナマエ!」
「おい、億泰ゥ…こいつぁサボると煩そうだぜぇ」
「…ちぇ、めんどくせぇなあ〜」
ちまちま煩く俺にいつも掃除当番をやらせるのはナマエだ。
保育園から一緒のやつで腐れ縁か何かで高校になってもクラスが一緒だった。全然タイプの女の子じゃあねーし…隣の席だし、何故かいつも隣に居る、そんな感じがするんだよな。
ナマエなんて…
「億泰!何ボーッとしてんの!早くやらなきゃ帰れないじゃん」
「わかってるてーの…」
私が注意すると
コイツは私の事をうるさそうにブツブツと文句を言うの。わかってる。私の性格は細かくて煩くて男らしくて…
だから億泰にだって……
「なあ、ナマエはよォ…好きなやつ居ねーの?」
「はあ!?」
うわっ!ヤベェよ〜
変なこと聞いちまったッ!何言ってんだ!俺。
俺は慌ててナマエの方へ顔を向ける。
怒っているだろう。頭にきただろう。好きなやつになんてことを聞いたんだよ!俺ェ!
「ばっ…!馬鹿じゃないの!?女の子になんてこと聞いてるのよ!」
まさか本命のヒトから聞かれるなんて…私どうしよう。
頭の中がふわふわした。
…だって私は…アンタの事が好きなんだよ?
ああ、なんて口に出して言えるわけない。
私は顔を交互にブンブン振りながら億泰から目を反らした。だってだって…!億泰ってば素直に聞きすぎだよ!
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さっきからナマエの様子がおかしい。
俺が「好きなやつは居ないのか」って聞いたときから。俺、何か変な事聞いちまったのか?
だってよォ!俺が好きなのはナマエなんだぜ?
俺が告白して…もし、「私好きなひと居るの」なんて断れたら俺………俺……
「億泰、何考え事してんの!は…早く掃除しなきゃ帰れないじゃん!」
「わ…分かってるてーの!」
また、まただよ。
億泰に強気な態度見せちゃった。
きっと…きっと嫌われちゃうよね。
嫌だな。私のバカ。
「「好きなのに」」
「え!?何か言った?」
「何でもねーよ!ナマエこそよォ!何か言わなかったか?」
「何にも言ってないわよ!」
(溶けてしまいそうな)
こうして今日も知らずにすれ違い
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ちきん様
お待たせ致しました!
億泰と両片思いとのリクエストでしたので、
学園風にしてみました。
いかがでしたでしょうか…?
…億泰の口調不安過ぎてドキドキですが
目を通して頂ければ幸いです!
この度はリクエスト
ありがとうございました!