▼
「ジョルジオ、生き物を飼ったことはあるか?」
「生き物……」
承太郎おじいちゃんが小さな子猫を抱えて私に触らせた。ふわりふわりとした毛並みの小さな白い子猫…
寂しそうにこちらを見ては小刻みに震えて…青い瞳は私にそっくりだ。
「飼ったこと…ない…育てる自信が無くて…」
「そうか…ならこの子猫を育てるといい。コイツが大きくなってチロチロと歩き始める頃まで育てろ。そうすればお前は何かに気づく」
自信が無いのに育てろというの?
凄い覚悟が居るよ。私が途中で投げ出さないと思う?
「私が、投げ出したら?」
「ジョルノ君と徐倫との子だ…諦めたりしたらおかしいぜ」
承太郎おじいちゃんはいつものように帽子をクイッと深く被り、小さく笑った。
刺のない言葉は、私には優しく聞こえた。