頂きもの | ナノ


  似て非なる


私にはお兄ちゃんがいる
名前は承太郎
背が高くて強くてかっこいい(あと不良)
私とは正反対なお兄ちゃんだ
私はそんなお兄ちゃんが好きだし、尊敬もしてる

「おい、名前」
「ん?なに?」

ふとある日
明日は休日でのんびりとしていたころふとお兄ちゃんが話しかけてきた
なんかあったんだろうか

「明日暇か?」
「うん、そうだけど」
「出かけるから付き合ってくれ」
「いいけど、どこに?」
「ちょっと買い物するだけだ」

まえから思ってるんだけどお兄ちゃんは言葉がいつも足りない気がする
まあ、別に大したことじゃないからあんまり追求しないけど


ーーーーーーーーーーーー

次の日、朝ごはんを食べてからお母さんに出かけることを伝えてから家を出る
お母さんは仲がいいのねぇなんて笑っていたがお兄ちゃんは居心地悪そうにそっぽを向いていた
お兄ちゃんは立場が悪くなるとそっぽを向く癖がついたのは高校に入ってからだ
二人ならんで街を歩くのだがやっぱりどうしてもお兄ちゃんは目立つ
195cmでかっこいいし仕方ないといえば仕方ないんだけどそのことを前にお兄ちゃんに言ったら「無視しとけ」と言われた
あと、お前も十分目立ってるって言われた
いや、それはお兄ちゃんの隣に立ってるからだと思うよ

「あ、あれかわいい」
「ん?」

街をブラブラ歩いているとふとある店のショーウィンドウが気になった
そこにあったのは可愛らしいアクセサリーの数々
一応年頃な私でごさいますからやっぱりそういうものに興味はある

「入るか?」
「え?でもお兄ちゃんの買い物は」
「別に気にするな」

そんなに急ぐ買い物でもないのだろうか
さっさと店の中に入ってしまうお兄ちゃんを追いかけて一緒に店に入る
その途端、店の中にいた人たちの視線がお兄ちゃんに集まった
まあ、そりゃこんなイケメンが入ってきたら見ますわな
それよりもお兄ちゃんが入るような感じの店じゃないっているのもあるだろうし
でも当のお兄ちゃんは気にしてない、というより気付いてない風でズカズカと店の中に進んでいく
こういう時はあれだ、気にしたら負け

「あ、あれとか可愛い」
「名前には派手すぎる」
「そう?そこまでじゃないと思うけど」
「お前はこういうのが似合うだろ」

こういうときお兄ちゃんが選ぶのは大抵可愛い系のアクセサリーだ
いや別に嫌とかじゃないんだけどなんというかたまには違うものも欲しくなるというか

「お兄ちゃんの趣味ってなんか幼いよね」
「そうか?」

もしかして自覚ない系なんなんだろうか

「あ!メンズのアクセサリーもあるよ」

少しコーナーが変わると今度はシルバーアクセサリーやら男性が付けるもののコーナーがあった
個人的にだが絶対お兄ちゃんはああいうの似合うと思うんだよね

「名前の趣味も分かりやすいぜ」
「え?そう?」
「ああ、クロスとかそういうの好きだろ?この前の誕生日プレゼントもそうだったしな」

やっぱり兄妹ってのは似てしまうんだろうか
その後ぐるぐると店内を周り、色々なものをみた
だが気付くといつの間にか一人になっていた
どっかで商品をみるのに夢中ではぐれたらしい
まあどうせお兄ちゃんは目立つので探さなくてもそのうち見つかるだろう

「そういうの好きなんですか?」
「へ?」

ネックレスを見ていると知らない男の人に話しかけられた
あんまり初対面の人と話すのは得意じゃないからちょっと恥ずかしい

「その石、サンストーンって言って【恋のチャンス】って意味があるんですよ」
「花言葉みたいですね」
「ええ、石にも花言葉みたいに一つ一つ意味があるんですよ、でも本当運命を感じません?この石によってあなたみたいな素敵な人に出会うなんて…これこそチャンス…」
「おい」

すると聞き覚えのある声が
見ればそれはやっぱりお兄ちゃんでした

「お兄ちゃん!」
「出るぞ、名前」
「え?あっ、ちょっと」

いきなり腕を掴まれグイグイと引っ張られて行く
あの人にちょっと悪いことしたかな

「お前はもう少し自覚をもて」
「ん?なんの?」
「お前な…」

店を出てやっと手を離してくれたと思ったらなぜか怒られた上にため息つかれた
なぜつく

「もういい」

お兄ちゃんがなんか諦めたようなので深く考えるのはやめておこう

「じゃあお兄ちゃんの買い物済ませないとね」
「いや、俺はもういい」
「え?どういうこと?」
「もう済ませてある」

今回の目的を果たすためにさあ、出発しようとしたとき予想外の解答が帰ってきた
え、済ませたって…
不思議に思う私にお兄ちゃんははいと袋を差し出された
袋にはさっきの店の名前が
いつの間に買ってたんだろ

「え?これは?」
「ピアスだ」
「ピアス?いつの間に?って買い物ってこれ?てかなんで?」

私の質問攻めにお兄ちゃんは何でもない風に言う
「お前、ピアス欲しがってただろ」
「なんで知ってるの」
「時々俺のピアス眺めてるたからなんとなくだ」
「し、知ってたなら言ってよ!」

ああ、恥ずかしい!
確かにピアスいいなぁとお兄ちゃんのピアスを眺めいたのは認める
でもそれはこっそりとやってたつもりだった
なんかイタズラがバレた子どものように恥ずかしい

「これからは人のを羨ましがらなくていいぜ」
「…あ、ありがと」

そっとその袋を受け取る
中にはお兄ちゃんが付けてるのとそっくりとピアス

「貸せ、付けてやるから」

出したばかりのピアスをお兄ちゃんに渡すとお兄ちゃんは身長差があるため少し屈んでピアスを付けてくれた
一応穴はお兄ちゃんが穴を開けた時に一緒に開けたのだがまだちゃんとしたピアスは持っていなかった
しばらく何もおさまっていなかった穴にお兄ちゃんと同じピアスが収まる

「どう似合う?」
「ああ」

普段あまり笑わないお兄ちゃんが微笑む
つられてこっちも微笑む

「帰るぞ」

そういってお兄ちゃんは手を差し出してくれる
その大きな手をつかむと二人ならんで家への道を歩き出した








--------------------------------

お礼文

「THERE'S NO SUNSHINE」のルーノ様より
1000Hitフリリク小説を許可を取って飾らせて頂きました。

承太郎の妹(弱気)という無茶ぶりな設定リクエストに答えていただき嬉しい限りです…!

承太郎のお兄ちゃん加減がもう涎ものです((
こんなお兄ちゃんがほしい・・・

ドツボすぎる小説をありがとうございました!

大切に飾らせていただきます!








prev / next

[ back to top ]


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -