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  彼女は私を愛していない


小さいころ私は公園のブランコから手を離して頭を打った、そりゃあもう派手に。
お母さんなんて「ぎゃああ!!名前ーーッ!!」と女らしかぬ声で喚いたぐらいだ、でそのまま意識不明で病院いき。でも人間は結構丈夫にできてたみたいで一日たてばケロリとしていた。
けど私は私では無くなっていた。
私は前世を思い出したのだ。

頭を打っただけで前世を思い出すとはいやあ人生なにがあるか分かんないよ、前世の記憶を思い出したとき『ああ漫画読みたい』だよ?しかも日本ではないアメリカなここで私はアメリカンガールなワケで漫画なんてみれやしない、そして私は決めた。大人になったら日本へ行こう…――…………どこまでいっても私は漫画が読みたいのだ。

と、そう決めていたのに。

「俺と結婚を前提に付き合ってくれ」

目の前で黒い学ランがなびくいつもの無表情な顔は凛々しく……――いやちょっとまて。
学ランなんて日本でしかみれなかったじゃなくてなんで学ランなのだしかも改造学ランだと……!?
だがそれが似合ってるゥー!
…じゃなくて!!!

「結婚……?」
「ああ」

結婚、も、そう、だけど……。
……………あれこいつ空条承太郎さんじゃね?
徐々で奇妙な冒険の空条承太郎さんじゃね??
三の部の主人公の空条承太郎さんじゃね!??
まさか、まさかこの世界はジョジョの世界で、私は、まさか…徐倫の母親――!?



俺があの女と出会ったのは運命なのだろうか。
未だに分からないがきっと偶然ではないだろう、女とすれ違ったとき甘酸っぱい果実が弾けるような匂いが鼻腔を纏い口内が酸味に反応して唾液が口のなか溢れた。
思わず振り替えれば女は色素の薄い茶色い髪をふわふわとなびかせて歩いていた。

『 ――――… 』

俺はあの日確かに見惚れていた。ゆっくりと大きな腹を撫でる、ふふと彼女から笑い声が聞こえる。

「すっかり貴方もお父さんなのね」
「…―――」
「ふふふ」

新しい生命が嬉しいのだろう、先ほどから嬉しそうな笑い声が聞こえる。
承太郎の手の平のすぐ横に白い手の平が指先にぶつかった。

彼女は俺を愛していなかった。

まるで我が子を見るかのような眼差しにすぐに気付いた。
こんなにも愛しているのに、渇望して愛を欲している私を自分自身醜いと嘲笑う。
何を、私をまるでレンズ越しにみるかのように…なぜ…。
愛されている徐輪がうらやましい…徐倫は真の母の愛を受けているのだから。

優しくなでる手の平の奥、彼女に守られている小さな生命に空条承太郎はほの暗い想いと愛を与えた。

「愛している名前」
「ふふ…?どうしたの承太郎さん…私も愛してるわ」
「………」

変な人、と笑った彼女はやはり私を愛してなどいない。





――お礼文――

町子様!
ありがとうございますぉあああ!(落ち着け)ヤンデレ承太郎がドツボです(キリッ
そして徐倫の母親だと…!?素敵過ぎますっ何度も見てしまいました!
無茶ぶりに答えて頂き、ありがとうございます!大切に飾らせて頂きます!

改めまして相互感謝します!
これからもよろしくお願いします!


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