「〜♪」

私、こと東方仗助は何時ものようにバス停でバスを待ち、鼻歌を歌っていた。

いつものことだけどなんだかまだ自分が仗助だって感覚に慣れない。

するとバスがバス停に着いた。

よいしょ、と心の中で掛け声をしバスに乗ったのはいいけど…
其処には見覚えのある髪型のある人物がバスに乗っていた。


「オイ、東方仗助」

げ!やっぱ露伴かよ…!やなとこで会ったなー…

私…こと東方仗助の名前を呼ぶのは今好評連載中の大人気漫画、「ピンクダークの少年」の作者…岸辺露伴。彼も同じバスに乗っていたようだ。

特徴的なヘアバンドが印象的な成人男性。生で見れたのは嬉しいけど…結構苦手なほうなんだ。露伴先生は。


「…何か用っすかー?露伴先生ー」


しまった。
仗助言葉に慣れない所為か感情が籠ってない台詞吐いちまった。

こういう台詞って漫画見て分かったけど露伴先生の心をムカつかせるんだよなー…やっちまった。

「挨拶くらいしろよな。少なくとも僕は君より年上なんだぜ?」

「いやあ…すんませんねー…見えなかったもので」


「この間のチンチロリンの件…忘れたわけじゃあないからな」

あー…あったなぁ…そんなこと。
確かお小遣い稼ぎに未起隆にサイコロになってもらって露伴先生とチンチロリンしたのはいいけど、ちょっとやらかしちゃったんだよね…。岸辺邸火事にしちゃいました(テヘペロ

「あー…ありましたっけェ?そんなことー」

私は仗助っぽくとぼけてみた。
好きだけど難しいんだよね…仗助口調。


「まあいいさ…。僕は心が広いからね。今のところは許してやるよ」

ほっと、一安心…。
請求されたらどうしようかと思ったよ。

露伴先生って掴み所無いから不思議なんだよな〜…。

私は仗露じゃなくて露仗なんだよね〜。
いや、聞いてないか


結局バスを降りるまで露伴先生と一緒だった。その間は何も話さずただ無言の空気だけが流れてた。正直いい空気じゃない。


岸辺露伴は本当に動かない人だ。
ただただ前の座席に居る私に視線を送ってくるだけだった。


仗助の口癖を借りて言えばこうだ。
「グレートだぜ…」

本当に掴み所の無い人だよ。
よしサイン貰おう。




サイン下さい

(珍しい事もあったもんだな…明日は雨に違いない)

(いやぁ。ちょっとした気紛れッスよ)

(売ったりするなよ…?)

(しません!しません!むしろ飾っとくッス)




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