証は首筋に

「…ほう」


そいつは復活した。
ずっと海の底に眠っていた。


「お前があの空条承太郎の娘か…」

「私をあれほどまで追い詰めたのはお前の父親だけだったぞ」

「DIOッ…!」

油断した…ー!
まさか奴がプッチ神父の中に生きていたなんて…くそ!

「お前は父親と違って面白いスタンドを使うんだな」

「…っ!」


父さんの事を知ってる。
当たり前だ。奴を倒したのは父さんだ!

くそ…
体が動かない!致命傷だ……!
スタンドを使えない

どうする「ククッ…久々に使ってみるか…」


使う…!?何をっ!?
焦るな…焦るな私!体が恐怖を感じてる


「世界(ザ・ワールド)ッ!!」

「!?」


体が…動かない…
嘘だ

世界が……止まってる………!?



「…フッ…親子揃って愚かだな。私のザ・ワールドを見切れないとは」


「さて…どうやら私のザ・ワールドは前は五秒間だったが今は一分間止められるようだな」


「…!?」

DIOは私の顔を撫でるように触った。

瞬間、悪寒だけが体に走った。当たり前だ。相手は父親を殺そうとした憎き敵…
体に触れられるだけで不快。

やめろ!言いたかったがDIOのザ・ワールドの所為で体が動かない。当然口もだ。

DIOは私の首筋に舌を這わせた。そうだ、コイツは吸血鬼だった。

「やはりあるな…印は」

そう言うと私の肩にあるジョースター家が代々受け継ぐ星のアザを見て笑った。

そしてDIOは私の肩のアザを舐めた。
舐められた瞬間、悪寒を通り越して違う何かの感覚が体に走った。


「…ッ!」

「…ッやめろ…!」

口が動いた。
奴のスタンドが切れたからか

「もう一分も時間が過ぎたか…少し遊びすぎたか…クク」

「触る…な…!」

私は精一杯の力でDIOに抗ってみた。
奴を突き飛ばしたいがそんな力なんて無い

「う…あ…ァっ」

抗ったのがいけなかったのか奴は私の首筋に己の牙を立てて私の血を吸った。

私の首筋には赤い血が滴り落ちた。
痛みは多少有るがそれより先に快楽が襲ってきた。

「ひ…ぁ…」

何故だか私の口から出るのは叫びではなく甘い吐息…
体がグラリと床に倒れそうになった瞬間、DIOが私の体を支えた。

「おっと。血を吸いすぎたか…倒れてしまうところだった」

「…なん…で」

「大切な私の玩具が壊れてしまうからな」
「おも…ちゃ」

そう言うと私を抱え込みベッドの方へ運んだ。そしてベッドへゆっくりと寝かせた。
「…ふ…ぅ」

小さく息をするとDIOがこちらを見ながら笑った。

「苦しいだろう。…クク…すまんな…あまりにも美味な血だったものでな」

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