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「おはよッス、セシル」
「おはよ。仗助」
「こらー先輩をつけないと駄目だぜー」
朝から仗助に頬をつねられた。痛い。
「いひゃい〜ごへんなひゃい。へんばい(痛い。ごめんなさい。先輩)」
仗助はなんだか目上って感じがしないんだよなあ…不思議と。何て言うか…隣近所のガキんちょみたいなんだよなあ…私から見たら。
ジャパニーズヤンキーかな、
…??なんか違うなあ
「ん?セシル…右足どうしたんだよ」
「え?」
良く見れば靴下の所が汚れてる。しかもちょっと痛い気がする。おかしいなあ…
「血ぃ出てるぜ?」
「あ!そういえば!玄関出るときにつまづいて段差で転んで擦りむいてたんだわ!わはは」
ヤバイ。忘れてた。唾つけときゃ治るって思ってほっといたんだった。
「ドジだな〜。足出してみ?」
「お!?わわわわ!」
そう言って仗助は私の靴下を下げて、
私の足を仗助自身の膝の上に乗せて私の足首に手を当てた。
「痛いの痛いのー飛んでけー!」
懐かしいな。それ。何年ぶりだあ?
凄い…何て言うんだろう子供の目線からしたら嬉しい、だろうか?
それより仗助が真剣に人の傷を治したり、救おうとしている姿が…勇敢で、逞しくて…寛大だった。
始めて会った時もそうだった。
そして笑顔でこう言うんだ。
「はい、終わりッス。綺麗になったぜ」
ニカッと笑う仗助は、やっぱり素敵だ。
…もちろん承太郎先輩の方が一番素敵だけど!
ああ〜!もう!何!?このモヤモヤ。
そのリーゼントくしゃくしゃにしたい!
ていうかリーゼントごとお持ち帰りしたい!
「どーしたんスか?セシル」
「うるさい!何でもあらしまへん!」
「何故に舞妓風…?」