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土日や、祝日にジョースター家に配りものをしに行くとき、私はいつもドキドキしてしまう。
何故かというと……!
「セシルか」
「じ…承太郎先輩!!」
いい具合に承太郎先輩と会えるから……!!!
豪華な扉が開くとき、
ちらりと見える星の形のバッチが付いた学生帽にドキリとする私。
長身なあの人の顔を見上げる度に動悸が止まらない。
病気みたいに発症する。(病気ではないが)
ふぁ〜幸せですよ。マイナスイオン出てます…
承太郎さまさまっ…ってなんか誰かに似てるな…ま、いっか。
それはそうと、やはり…うっ…美しい。美しすぎます!
あーあ…ジョースター家に生まれたかったなぁ…(本音に近い)
「あの…これ、回覧板デスっ!!」
うわっ私裏声出たぞ。ハズカシー!!!!!!
「いつもありがとうな…偉いな、セシルは」
「えっ………!」
そう言って承太郎先輩が頭をポフッと撫でてくれた。
柔くて…でも、決して弱さを見せない。まさに日本男子だ。
でも家がライバルであることには変わりないから油断はしていない、蒼い美しいその瞳……
やはり承太郎先輩は、私には遠い存在だ。
でも、頭を撫でてくれたうえに褒めてくれた。
その優しさは、好きだ。
その本当の優しさを知っているであろう徐倫やジョニィが本当に羨ましく思うときがある。
「セシル」
「はい?」
ちょっとだけ寂しく想いながらジョースター家の玄関を後にしようとした時、承太郎先輩に引き留められた。
「また、配りに来てくれ。DIO の野郎が生きてるかどうかだけ確認するにはセシルの顔色を伺うくらいしか無ぇ…」
「っっっっ!!喜んで!!!!!!!」
私は寂しさを忘れてしまうくらいの大きな声で承太郎先輩に返事をした。
父さんの名前が出てきたのはちょっと気に食わないが、私の名前を呼んでくれたから まあ、いっか!