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いつもの登校ルートを登校する。変わらない風景。
荒木荘の前を通りすぎて、荒木荘の窓から見える(見てくる)ディアボロに挨拶をして、まあ、無視されるんだけどね。いつも。ちょっと悲しいわ。
そして長い坂を下り、上を見上げれば、大きな屋敷が見える。
ここがジョースター家。
所有者はジョナサン・ジョースター。
父さんとちょっと因縁があるらしい…まあ、そんなことはどっちでも良い。ジョナサンは悪い人じゃあないし。
相変わらず大きい屋敷だな…家とどっちかってくらい。毎日恒例のように眺めていると………
「おっはよンー!セシルちゃーん♪」
来た…ー。
がたいが良くて、でかくて、チャラいの。
「ジョセフ…先輩」
「つれないねー…!セシルちゃん。先輩、は要らないっていつも言ってるのに」
はあ、溜め息が出る。
何だかこの人が来ると調子が狂うんだよなー。
いつも、おちゃらけて「ハッピーうれピー」とか言ってくるし…なに考えてるか分かんないし…童顔だし。
「また今日も学校?偉いねー!」
「…頭撫でないで…髪の毛崩れる」
何故か毎日私の頭を撫でるんだ。
馴れ馴れしいな………。
「そういうジョセフ先輩こそ大学良いんですか?」
「ちょっ…敬語wきっつ!…大学はサボっても大丈夫よン♪俺、頭良いし」
羨ましいな、暇そうで。
口笛なんか吹いて…近所迷惑だっつーの。
またリサリサ先生とスージーQ先輩に怒られまっせ。
…でもどうして…
私が登校すると同時に玄関から出てくるのかな…?
は!もしや、今話題のストーカー!?
やだなー…
私のなかのジョセフの印象が「ストーカー」に変わった。
「次にお前はこう言う!"ジョセフってストーカーの趣味があるんだ"、と!」
「ジョセフってストーカーの趣味があるんだ……ッハ!」
しまった!思わずつられてジョセフに本音を言っちゃったよ!!いつも引っ掛かるんだよな…むう。
「そんな風に俺のこと思ってたのか…へえー…そう」
「あ!違う!これは違うからね!これはシーザーのことだから!」
「家庭教師だけじゃなくて夜の方の家庭教師も追加しちゃおうかなあ〜…」
「遠慮しときます!」
私は急いでジョースター家の前を通りすぎて、学校へと急いだ。
今度からはジョセフに会わないようにジョースター家の前を通らないようにしよう。
そう心に思いながら足を早めた。
帰り道、ジョースター家の前でジョセフがスージーQ とリサリサ先生の前で土下座をしているのが見えた気がしたけど、気のせいのようでした。ちゃんちゃん。