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突然だけど
私は父親が嫌い。
とにかくしつこいから。
私を猫可愛がりして…帰りが遅いと煩いし。半分ストーカーするし…嫌な父親。
お陰で彼氏出来ないし!
しかもその父親が吸血鬼ときたから余計虫の居所が悪い!!
「ジョルノ、セシルに変な虫が付かないようにしっかり見張るんだぞ」
「ハイハイ。いちいち煩いですよパードレ」
「WRY……」
「うるっさい!放っておいてさっさと学校行くよ!初流乃!」
「待て!セシル!私が作った弁当を…」
「お昼購買で買うし」
「…………WRY」
「残念だったな。DIO。じゃあ俺は行くから」
「ディエゴまで…」
「父さん、そんなエプロン脱いでさ、朝だから早く寝たらどうです?下手すりゃ朝日浴びるぜ?」
「ディオ…お前は偉いな…」
「はあ?当たり前だろ?テレンス、飯」
「WRY…飯目当てか」
朝はいつも私は気分が悪くて仏頂面で学校に行くから友達からは「お姫様」とあだ名を付けられた。
「お姫様、今日も食堂でパスタ?お父さんの手作り弁当じゃないの?」
「それヤメテよ……。そーよ。パスタ」
私のお気に入りは食堂のパスタ。固さが丁度良いのよね。あと苦すぎないダイ●ーのコーヒー。
「…リッチだねぇ」
「そお?普通じゃないの?」
「まだパードレの弁当の方が良いんじゃないですか?」
「初流乃」
「きゃー!ジョルノ君!!」
相変わらず初流乃は女子に人気。
私が食堂で食べてると必ず隣に来て同じパスタ食べるんだよね。初流乃は紅茶派だけど。超不思議…双子だから?
だから私の昼食はいつも邪魔される。
しかしなんで"初流乃"をイタリア読みの"ジョルノ"に変えて日本人が呼ぶのかまだ分かんない。初流乃で良いじゃん。日本人って不思議。
「ああ。弁当?有難いけど…やなの、あの弁当」
「何故です?」
「だってこの間はさ!勝手に弁当、アイツ鞄に入れたんだよ!しかも開けたらハート型の海苔にピンク色で「love」って書いてあったんだよ!?怖いっ!」
「…まあパードレですしね」
テーブルをバン!と叩き、怒りをぶつけたら周りが一気にシーン…となった。
いつものことだけど。
初流乃は平然とパスタをすすり、私の話を聞いていた。
そして予鈴が鳴る。今日のお昼は終わり。
これがいつもの私の日常。