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「hello!ディアボロ」
「っ…俺のそばに近寄るなっ!」
「え、酷っ ちょっと近付いただけじゃん」
学校帰りの寄り道として荒木荘にお邪魔したらディアボロが机の上でベターっと今にも溶けそうな雰囲気でそこに居た。
気さくに「hello」なんて挨拶をしてみたら何故か拒否ポーズ…傷つくなあ。
何故かは知らないけどディアボロはあまり人と接しない。いつも布団にくるまってネトゲしてる。誰と話をしてるんだろ…
「貴様っ ジョルノの使いでここにきたのだろう!?」
「は?」
「このディアボロがギャングスターの頂点だ!誰にも渡さんぞっ」
何だか良くわからん。
初流乃が何だって?慌てすぎて聞こえなかったよ。変な人。
「そんなことより。ディアボロ、あんたちゃんと食べてんの?なんか痩せてるじゃん」
「…よけいなお世話だ」
「素直じゃないねっ」
私はディアボロの態度がお腹を空かせた子供みたいで可愛くてクスッと笑った。
そして確かポケットの中に飴玉が入っているのを思いだし、ゴソゴソと探してみた。
手応えは、あり。
ドット柄の包み紙に入ったコロコロと丸いサイダー味の飴玉が胸のポケットに入っていた。
そしてそれをディアボロにスッと差し出してまたクスッと笑ってみた。
「毒は…入ってないな」
「入ってるわけないじゃん。はい」
恐る恐る私の手のひらの上に置かれた飴玉を自分の手に取り、マジマジとそれを見つめてから自分のズボンのポケットに入れた。
「………」
「美味しいから食べてね」
「………」
暫く続く沈黙…
私をまだ信用していないような顔で見てくる。
「じゃあ私帰るね」
「…二度と来るな」
ブスッとした顔で はいはい。と答え、私は荒木荘の玄関にをあとにした。
……ちゃんと、食べてくれたかな…?