▼ 03
「何をしているのだ…セシル」
時計は7時半。
リモコンをガサガサとあさり、リモコンの赤いボタンを押し、テレビの電源をonにしていつものテレビ番組を見る。そう司会のあの人のトークが好きなんだ。
あの顔から飛び出す毒舌トークが世の中の不満を一気に覆すからなんともスッキリする。好きだわー。こういう人。
あはは、と一笑いして、さあ朝食を、と立ち上がろうとした。
すると階段を上る、トントントンとリズムのいい足音が聞こえてきたと思えば…
朝、寝起きでしかも低血糖で機嫌が悪い私に
寝床(棺桶)から出てきた父さんが私に質問してきたのだ。
「何って…テレビ見てたの」
「なんだ。この、クソ人相の悪い男は…セシルはこういう男が好みか?」
少しは人を誉めるとかしないのかね、この人は
それだから承太郎さんに倒されちゃうんだよ
私は少し不機嫌に父さんの質問に答え、への字に口を曲げ、暖めていた牛乳をレンジから出して一口飲んだ。
「…そして貴様、その格好は何だ…?」
「え?パジャマだけど」
上はタンクトップにブラ。
下はジャージという何とも普通の格好をしていたのだが、何故だか格好を指摘された。しかも指をビシッと刺されたし。
「……そんな格好してまさか外に出ては居ないだろうな…?」
「夏場はフツーにやってます(笑)」
「貴様というやつはっ!!」
な…何で怒られたし
フツーの格好じゃん。あれ?フツーに女子の方はやらない?
涼しいし、楽な格好だよ?友達みんなやってるよ?
「…親でも襲ってしまうかもしれぬぞ…?」
「は?」
なぜか我が家の一つしかないソファの上に押し倒されました。
飲んでいた牛乳が床にぶちまけられて、あーあ…掃除するの面倒なのに………じゃないっ!!
なんだ!?この状況?なんで…
「ちょっと重いんですけど…」
「なかなか成長したではないか…良い体つきd「ふざけんなっ!!!!!」」
言葉を最後まで言わせてやらなかった。
私の自慢の鉄拳を父さんの顔面におもいっきり入れてやった。なんとなくやりそうなことは分かってたから
セクハラか!
このスケベ親父!いい気になるな!
「…ブラをちゃんと着けなければ将来垂れるぞ」
「うるさい!」
父さんは鼻から赤い鼻血を垂らしながらドヤ顔をして捨て台詞を吐いた。
また今日もブランドー家は賑やかになりそうです。