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今日は荒木荘に遊びに来た。
遊びというか…夕飯のお裾分けをもらいになんだけど…。
いつもは吉良さんが玄関で出迎えてくるのだけど…今日出迎えてくれたのはなんとあのカーズだったのだ。
大きい…相変わらずデカイ。
でも髪の毛サラサラ…羨ましいよまったく
「ああ、貴様か…吉良なら今は留守だぞ」
「あ、そうなの?じゃあまたにしよ」
私は仕方なく隣の我が家まで戻りることにした。
吉良さんがいないんじゃお裾分け、貰えないしね(肉じゃがが良かったなあ…)
吉良さんが来るまで待っていても良いけど…気まずい。
カーズとは親しい仲でよく話すけど…でも二人きりだと居ずらいし
「どうせお裾分け、とやらを奪いに来たのであろう?」
「あ、バレた?」
「皆買い出しに行って居らん。寄っていけ」
私はカーズに圧倒されて仕方なく荒木荘にお邪魔させて頂いた。
「入れば良かろうなのだぁ!」
「そんな圧倒すんなっ!はいはいお邪魔しますよっ!…ってあら?意外と綺麗じゃん」
見事なツッコミ?をかまし私は荒木荘に足を踏入れた。
予想してたのは男くさい質素で少し汚ないイメージの部屋…なんだけど割りと片付いていてキチンとしているし置物とかもあるお洒落な部屋だった。
「あれ?荒木荘、意外と快適かも…」
「当たり前であろう?このカーズの館なのだからな」
カーズの館って…言い方古いな…
「…どうだ?セシル、この荒木荘に住んでみる気はないか?」
「へ?突然?」
そう言うとカーズは私の腰に手を回し、ぐいっと自分の所へ引き寄せて顔の近くまで迫ってきた。
びっくりした私は抵抗しようとしたがやはりカーズの力には勝てない。
「…はは、気持ちは嬉しい…でも私には家族がたくさんいるからさ、荒木荘には住めないかな」
「カゾク…」
なんとかカーズの顔を避けて私はさらりとカーズの誘いを断った。
カーズは口元をへの字に曲げてきょとんと目を丸くして私の顔を不思議そうに見た。
「父さんは私の帰りを待っているし…ディオはお腹を空かして待っているし…ディエゴ兄さんはごはんの作り方知らないし…初流乃はきっと寂しがっているし…ごめんね!カーズ」
寂しそうに私が家の心配をしていると、カーズは黙ったまま私の頭をポンポンと叩いた。
「貴様はカゾクの話をするときはいつも暖かい瞳をしているな…」
「は!?」
カーズの言い方が優しくて自分の言ったことが少し恥ずかしくなり、私は照れ隠しにカーズの胸をポカポカと叩いた。
なんてくつろいでいる間に時間は過ぎていき、あっという間に時計は四時を過ぎていた。
「…!いけない!ディエゴ兄さん達が帰ってくる!ごめん!カーズ!お裾分けはまた、って言っておいて!」
家路に向かうためにドタドタと荒木荘を出た私にカーズは小さくささやいた。
「また、遊びに来い」
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アンケートにて名無し様のリクエストのカーズを書かせて頂きました!
カーズとの絡みは初めて書いたのでヒロインがあたふたでした…
アンケート記入ありがとうございました!