「失礼します…ヴァレンタイン様」 「入れ」 私は仕事終わりにヴァレンタイン様に呼ばれたのです。 何故なのかは分かりませんが… 「あのぉ…ヴァレンタイン様…」 「なんだ?」 私は大統領のお部屋のふかふかで革製の椅子の上にちょこんと座らされてヴァレンタイン様と対面する形で事がなりました。 「何故私がここに…?」 「君に会いたくなって呼んだのだよ」 「私に会いたい!?ヴァレンタイン様が!?」 「駄目だったか?」 「い…いえ!!とんでもありません!!」 私は以前キスをされた事を思いだし、また顔が真っ赤になった。 「マリア」 「は…はい!」 「君は…私の専属のメイドになる気はないか?」 ああ、そんな近くへ来ると顔がまた赤く染まってしまいます。その為、ヴァレンタイン様が仰った事を上手く聞き取れずただぼーっとしてしまいました。 「ふっ…どうやら聞き取れなかったようだな…」 「ふぇ!?」 真剣な面持ちのヴァレンタイン様が私の手をスッと握りしめてまた私に問いかけました。 「私の、専属メイドになる気はないか?マリア」 私が…せ…専属メイドに!? 専属メイドと言えば身近なお世話やお食事を共にするとメイド長さんが仰っていましたっ! 私が…私ごときが…そんな 「嫌か?」 「…とんでもございません!…でも私ごときがヴァレンタイン様の…」 するとヴァレンタイン様は小さく笑い、私の頭を撫でました。 「君が良いのだよ…小さき天使…マリア」 その言葉に私は硬直してその場に倒れてしまいました。 ああ、私は一体どうしてしまったのでしょうか?こんな幸せってアリなのですか? |