ひれ伏せココロ | ナノ




さて、今日もお国の為にキレイにお掃除お掃除!

お国の為ならば例え屋根裏でも床の下でも水の中でも…以下略 キレイにしますよ!

「お掃除しましょう♪」


私の名前はマリア・ペンドルトン。
私の姉のルーシー・ペンドルトンの代わりにお金を稼ぎにホワイトハウスに来たメイドです。

姉のルーシーの旦那様のお名前は、スティーブン様。スティーブン・スティール。

そう。
今まさに開催中の、大陸横断レース、「スティール・ボール・ランレース(SBR)」の開催者。とてもお偉い方。

姉のルーシーはその方にプロポーズされてお嫁に行った。年の差カップルですからとても素敵。羨ましいわ。
ルーシー姉様が今まで稼ぎに出ていたけれど今は働けないじゃない?だから双子の妹の私が出稼ぎに参りましたの。

ホワイトハウスのメイドは1日中働くからお給料が良いの。正直辛いですが、家族の為ですもの。頑張ります!


「マリア!大統領がいらっしゃるわ。並びなさい」


そう…
今日はホワイトハウスに我が国の大統領が帰還しにいらっしゃる日。

横柄な態度は決してとれません!
だから今日は念入りにお掃除しました!ピカピカです。

「…来た!」

私は急いで背中を丸め、腰をなるべく低くしてお辞儀をし、大統領のホワイトハウス入室を待っていた。いくらメイドだとは言え、笑ったり、下手すれば呼吸も乱してはいけないから結構辛いです。


大統領がホワイトハウスに入室したと同時に、「おかえりなさいませ」とお辞儀と大きな声で挨拶をした。

「おかえりなさいませ、大統領」

メイドと執事、ボディーガード総出で大統領の帰りをホワイトハウスの入り口で見守った。

「…うむ。ご苦労だな」

我が国の大統領はこれは少し言ってはいけないけれど体型がよろしいし身長もそんなには高くはない。だけれど器は大きいお方。

大統領がホワイトハウスの入り口を後にして、自室にお戻りになられるのを見守って、やっと頭をあげられた。


「ふう…」

私はようやく息をまともに吸えた。
本当に大統領の前は緊張します。









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