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チャンネルを取り上げて、テレビの画面をバラエティー番組から世界バレーの試合中継に切り替えた。隣からはしばらくブーイングが飛んでいたが、しばらくすると静かになって、お気に入りの甘いチューハイの缶を傾けながら画面に魅入っていた。

「繋ちゃんも昔はこんなのやってたんだよね」
「おう」
「見たかったな〜、コートの外でベンチを温める繋ちゃんの雄姿」
「お前な」

頭を軽く叩かれながら、早々と雫さえも飲み干した笑い上戸は機嫌よさそうにからからと声を上げる。酒が入った夜はいつも酔い潰れてソファーで眠るくせに、こいつはすぐに新しい缶に手をつけたがる。毎回ベッドまでお前を運ぶ俺の身にもなってほしい。
液晶の向こうでは興奮気味な実況が勝負の行方をまくし立てている。とりあえず形だけにとビールを注いだグラスはすっかり汗をかいて、テーブルを濡らしていた。

「あれ、繋ちゃん全然お酒減ってないじゃん」
「あー、だな」
「なんでよ?飲まないなら私飲んじゃうよ」

嬉々として伸ばした手がグラスに迫る。が、さすがにこれ以上飲ますのはまずいと察した俺は素早くグラスをこいつの手の届かない高さまで上げた。耳元ではまたしてもブーイングの嵐である。しかしこっちが素面でもなきゃ、完全に出来上がっているこいつは笑って片付けてしまいかねない。
やっぱり飲ませるべきじゃなかったかと、俺の胸板を叩きだした姿を見てため息を一つ。ポケットに入った箱の出番はまだ来そうにない。


剔≠ュお酒が飲んでみたい!

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