7th! | ナノ


02



「ミロー?どこー?」


なんかあっさり出てこれたから、ちょっと拍子抜けしてるシオンです。
さっき、ちょっとだけ地の文奪われた気がするけど気のせいだよな?うん、気のせいだ。
まあ、気付かれなかったのはよかったよ。見つかったら確実に止められたし。
わたとハクリでさえ止められてたしな。見た目幼女の俺じゃあなあ……。
でもそれとこれは別問題だよな、ミロが危ない(かも)だし。
うん、俺ひたすら考え事してて痛いな。これ口に出してたらまずい。病院に連れて行かれる。
ここ森だから病院とかないけど。


「ミロー!!」


ガサッ

……何かいた。
今確実に何かいた。
絶対何かいた、ガサッて音がした。
やべえ、あんまりにも見つかんないから大声出したら、何か別のもの呼んじゃったかもしんない。
うわ、俺馬鹿!超馬鹿!!長老様が危ない人間いるって言ってたじゃん!!
危ない人間がどういう意味で危ないのかとかよく分かんないけど、これ、まずい気がするよ。
あ、でも森のポケモンって言う線もあるよな。うん、希望は捨てずにいこう。


「ん〜?お嬢ちゃん、こんなところでどうしたのかな〜?」

「震えてるのかな〜?怖くないでちゅよ〜」


顔文字で表すなら\(^o^)/オワタ一択だわこれ。
ごめんなさい、長老様勝手に出てきて、本当にごめんなさい。
言うこと聞かなかったシオンを許してください、だから助けて!
鳥肌が止まらないよ!あ、こっちだとポッポ肌って言うのかな!!

いい年したおっさん二人が赤ちゃん言葉使いながら寄ってくるとか言う恐怖を何とかしろください。


「こ、こないで……!」

「おじちゃん達、怖くないよ〜?
捜し物が見つかったらすぐ帰るからね?ちょっとその場所教えて欲しいだけで」

「……幼女萌」


おい、お前の片割れロリコンじゃねーか。
今ぼそっと言ったけど、確かに聞こえたぞ「幼女萌」って!
止めろそんな目で見るな!止めて、いや止めてください!
確かに見た目超美幼女だけど、中身ただのオタクに片足突っ込んだ男子高校生だから!
こないだ精神は二十歳越えましたけど何か!?
白髪の野郎、面倒な設定つけたんじゃないだろうな。ロリコンホイホイとか。


「さ、さがしもの……?」

「そうなんだよ、知らないかな〜?」


知らねえよ、さっさと帰れ変態。
あ、うっかり言うとこだった。危ない危ない。
知らないかな?って聞かれたって、その捜し物の正体教えてくんなきゃ分かんないし。
後二人組の片割れがハアハア言ってウザキモい。何?ウザキモいって。需要なさすぎだろ。


「俺達、ちょっーとここに住むミロカロスってポケモンに用が」

「つるぺたハアハア」

「やかましいわハゲ!!今めっちゃ真剣な話してるだろうが!!」

「誰がハゲだこのクソガキ!!」


まだまともな方の話にウザキモい方が被せてきやがった。
つい、ぷつっと来て罵声あげちゃったら、何故かウザキモい方じゃなくてまともな方が怒った。何故。
思わずまともな方の頭を見る。
あー……確かにちょっと後退してるわ。この年齢でこの進行速度はちょっと危ないね。
見てたらまともな方にまた怒られた。お、俺の考えが読めた、だと……!?


「クソ、まともに相手してやりゃあ馬鹿にしやがって……!」

「いや、いままでのどこがまとも」


もう言っちゃったもんはしょうがないよね。ってことで開き直ってみた。
だって赤ちゃん言葉に変に語尾伸ばしたしゃべり方だぜ?俺はあんたらの正気を疑った。
まだ親馬鹿の父親だったら分かるけど、お前、ないだろ?子どもどころか妻も彼女もいないだろ。

そんな感じでつらつらと諭してあげれば、まともな方は顔を真っ赤にしてぷるぷる震えていた。
……こう言う時の典型的な例って、やばいよね。主に俺が。
それとそろそろハアハアすんの止めろロリコン!ウザいキモい!!


「〜〜〜っ!この生意気なガキにお仕置きしてやれ!グラエナ!!」

「やだ、ていそうのきき!!」

「ガキの癖になんでそんな言葉知ってんだよ!!
行け!グラエナ!!」


そりゃ中身二十歳越えのオタクに片足突っ込んだ(ry
まともな方がボール投げると、そこからはでっかい灰色の狼みたいなポケモンが現れた。
……って!あれモンスターボールじゃん!!すげえ!!
いや、そこじゃない。やばい灰色狼がこっち見てぐるぐる言ってる。どうやって喰ってやろうかなって顔してる。

逃げれるかな?逃げるしかないよな。


「ようじょあいてにポケモンとかひきょうだー!!」

「うるせえ!!追いかけろグラエナ!!」


取りあえず捨て台詞吐いて逃走開始。と同時に狼がわんわん吠えながら追いかけてきた。
幼女の俺に一瞬で追いつけないとかこれ余裕ーとか思った人。それは違う。
これあれだ。俺のこといたぶって遊んでやがる。
逃げる獲物追いかけて楽しんでやがるあのハゲ!!


「そう言えば、何でこんな森の中にあんなきゃわいい子がいたんだよ」

「お前な…………ああ!?そういや何でだ!?」


遅い、遅いよ、すげー遅い。何かもう、色々遅い。
あれかお前ら、まともと変態のコンビだと思ったらバカとロリコンのコンビだったのかよ。
てかきゃわいいとか止めろ、キモい。俺のロリコンに対する感想がキモいしか出てこないくらいキモい。

そんな風に考えながら走ってれば狼に吠えられた。
もっとちゃんと逃げろってか?余計なお世話だ。
文句言ってやろうと思って背後の狼を振り返れば、目前に鋭い牙。
え、ちょ、待て。


「うっわあぁああああああ!!」


噛み付こうとした狼を前転の要領で何とかかわす。
そのまま勢いよすぎて森抜けちゃったし、あちこち擦り剥いたけど、気にしてる余裕ない。
あの狼、今本気で噛み付こうとしてやがった…!
蹲る俺の前には仁王立ちして鋭い牙を見せつける狼。今後から悪人二人組も出てきた。
俺の後ろには大きな湖。
逃げ場、ない。

つまり何が言いたいのかと言うと、俺は今超ピンチです。
思わず超とか言っちゃうくらいピンチです。
蛇に睨まれた蛙。いや、こっち風で言うとアーボックに睨まれたニョロトノか?
いや、俺の場合幼女だからニョロモだな。
アーボック対ニョロモ……うん、これなんて死亡フラグ?


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