「やあこんにちは、ご機嫌麗しゅう×××君
わたしはアルセウス、この世界の創造神さ」
皆さんは突如目の前にこんなことを抜かす怪しい白髪野郎が現れたらいったいどうしますか?
A こんにちは創造神!僕の名前は×××さ!
B いい精神病院もしくは脳外科紹介しましょうか?
C ざけんな白髪
俺としてはものすごくBまたはCをプッシュしたい。
むしろ連打したい。
あ、オプションで中指立てるのはありですか?それが無理なら早くこの危ない人誰か引き取ってください。
つーか何だよ×××って。俺の名前は放送禁止用語じゃねーぞ。
「あっはっは、放送禁止用語か面白い
じゃあ放送禁止用語君、君何で自分がここにいるのか分かるかな?」
「知るか馬鹿野郎、刈るぞ白髪」
あ、つい本音が出ちゃった。まあいいか。
やべ、目の前の自称神が超にっこにこしてる。
怒らせちった?ごめん、許せ。
……あれ?てか、
「……さっき、俺の心の中、読んだ…?」
「創造神だから」
「その顔うざ!何お前何なの!?神とかいるわけねーじゃん」
「ははは、わたしの存在全否定かい?酷いな、放送禁止用語君」
「誰が放送禁止用語だよ、自称神」
お前のそのサラッサラストレートな白髪バリカンで刈ってやろうか。
俺のじいちゃんにやればさぞ喜ぶぞ、ふさふさじゃあとか言って。
「少しくらい信じなさいよ、わたしが創造神だって」
「今までのやり取りでどう信じろと」
「君がこんな真っ白な空間にいる理由を教えてあげるからさ」
「早く言えよ創造神」
そう、今までこの自称創造神のせいで気にしていなかったが、実は俺、一面真っ白な空間にいます。
おかしくね?俺今まで休日を謳歌してたのに。
ベッドの上でごろごろして漫画読んだりゲームやってたのに。
もうちょっとでケフカ倒せそうだったのに。あ、FFY知らない?面白いよ、登場人物みんな主人公で。
]もいいよね。あの湖は羨ましかった。シーモア許すまじ。
「わたしがさっき君の人生のリセットボタン、プッシュしちゃったんだよね」
「何それ、軽く言ってるけどやばくね?人生のリセットボタンって何なの?ねえ」
「ごめんね!お詫びにちゃんと君の新しい人生用意してあげるからさ」
「ちげーよ、おい、そうじゃねえよ、新しい人生用意するくらいなら元の人生に戻してくれよ」
「ごめん、無理、めんどくさい」
「ふざけんなあぁああああああ!!」
何それ何それ、めんどくさいとか言われた。
俺の人生強制終了させた癖にめんどくさいとか言われた。
何この白髪。禿げろこのやろう。
てかなんなのリセットって。リセットさん怒るよ?おこだよ?激おこぷんぷん丸だよ?
え、何?てかセーブデータとかないの?コンティニューしようぜ、コンティニュー。
「セーブデータ?ないよ、そんなもの
この世に生きる人間全てのセーブデータとかめんどくさくてセーブしてないよ」
「何なのお前、ほんと何なの
ほんとに神なの?死ねよ」
「でもさ?君もう自分の名前思い出せないでしょ?」
「……え、」
「×××君、君はもう、×××の人生には戻れないよ」
この目の前の自称神が言った、恐らく俺の名前だろうものが、聞き取れない。
そこだけ霞みがかったようになって、聞こえない。
×××って何。俺の名前、本当に放送禁止用語になったの?
「はい、そう言う訳でー
こっちのミスもあるし、何かお願いあるなら今なら無料で聞いてあげるよ?」
「…………全面的にお前のせいだろ、もっと誠意みせろよ白髪」
「このままこの空間彷徨わせてあげてもいいんだよ?」
「くっそ、この白髪め、禿げろ、禿げてしまえ、つるっぴかになってしまえ」
人がショック受けてる時にこの白髪。マジ許すまじ。
こんな空間で彷徨ってたらいくら俺でもキチガイになってしまう。
嫌だそれは。
しかしこいつも許さん。白髪なんて禿げろこのやろう。
「……じゃあ、日本人離れした美形になってモテモテになりたい」
「美形になったところでモテモテになれるかは分からないよ?」
「そうだな、お前みたいにな」
「やだな×××君、わたしが美形だなんて」
「いちいち名前呼ぶなこのやろ、人が聞き取れないのをいいことに…!」
この超ポジティブシンキング白髪、ほんと性格悪い。
いったいいつになったら禿げてくれるの?ねえ、教えて創造神。
あ、だめだ。こいつが創造神だった。
「モテモテになれるかは君次第だけど、容姿変えるくらいならお茶の子さいさいさ
叶えてあげるよ、君のくだらない願い」
「なあ、ほんとお前いつになったら滅んでくれるの?」
「わたしは永久不滅さ」
「誰かこいつの頭上でビッグバン起こさないかな、宇宙の塵にしてくれないかな」
俺、今程ザキを使えるようになりたいと思ったの初めてだ。
別にデスでもいいんだけど。アバダ・ケダブラでもいいよ。デスノートでもいいよ。
でも一番はやっぱりバルスかな。
「よしよし、調整終了ー!じゃ、楽しんで行ってきてね!」
「軽い軽い、ほんとお前軽い、頭の中中身詰まってる?ねえ」
「じゃ、いってらっしゃい」
「おい、ちょ、ま、おいいぃいいいいいいいいいいい!?」
俺があげれるだけ死の呪文あげてたら、こいつ、俺の足下に落とし穴作りやがった。
そこが見えない。嘘だろ、おい。
顔を上げれば、一仕事終えたってくらい清々しい顔した白髪。
「ベタ過ぎて笑えねえぇええええええええええええええマジ呪ってやるううううううううううううううううううううううううううううううううう!!」
そこで俺の意識は途切れた。
あの白髪、絶対禿げの呪いかけてやる。
「神を呪う、ねえ……ははは君には出来ないよ」
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