7th! | ナノ


04



はーい!こんにちは皆さん、シオンですよー。
最近漸くお座りが出来るようになりました。あ、背もたれがある状態でだからな?
そんな一人でお座りなんてまだ無理だよ、いずれ出来るようにしてみせるけどな。
俺の打ち砕かれたプライドのためにも。

そんな訳で、プライド打ち砕かれた俺の背もたれは、現在兄のチルットがしてます。


「シオン、ガラガラいる?」

「う!」


いるいる、手持ちぶさただもん。はよ寄こせ。
あ、何かさらっと流しちゃったんだけど、この女性恐怖症脱童貞チルット、俺の兄貴みたいなのになったっぽい。

ミロが俺の性別暴露した後、暫く固まったままだったチルットを俺が笑ったら、なんか、その、ね?
何かころっとやられたらしいよ。詳しくは聞くな、俺も詳しく説明したくない。
でもこれだけは俺とこいつのプライドのためにも言っておく。
チルットは純粋に兄心を刺激されたんです……!!

ミロだけはミロがいない時に俺のこと見ててくれる人がいて安心、って笑ってた。
ミロが言うんじゃしょうがないよな!!


「えへへ、かわいいー」

「あうあうあう」


そらよかったですね。
嬉しそうに笑ってるとこ悪いけど、あの発作のような恐怖症はどこに飛んだの?
え、もしかして俺限定で発動しないの?兄ちゃんだから?シオン分かんない。


「あのね、今度またシオンにおもちゃ作ってあげる
何がいい?」

「うー、あいっ」


何か口に含めるものがいいな。最近口元が寂しいんだよね。
あ、おしゃぶりとかいいかも。
もうこいつがナチュラルに俺と会話しようとしてても俺はつっこまないことに決めた。
いいんだ、勘で読みとってくれれば。


「……そう言えば、このくらいになるとおしゃぶりとかいるのかな」

「う!」


何こいつ何なのこいつすげえ。
何で会話出来るの?え、まさか俺の考え筒抜け?
それなら俺に恐怖症状起きないのも納得……は無理か。


「ただいま、シオン、チルット」

「ひゃあああああ!!」


ミロに背後から話しかけられたチルットは、また俺を盾にして蹲った。
おい、そろそろ慣れろよ。ミロは俺のお母さ……いや、お姉さんだぞ!!
いや、今はチルットよりミロだミロ。
ミロ、だっこして!!


「きゃーあ!あうー!!」

「ただいまシオンー!良い子にしてた?」

「う!」


ミロが!ミロがぎゅってしてくれた!!やった、俺これで一週間くらい生きれるわ。
もうチルットなんて知らん。ガタブルしてるけど知らん。


「チルットー」

「ひゃ、ななななな何でしょうきゃ!!」


噛んだ、こいつ。
頭両手で押さえてぷるぷるしながらミロと俺を見上げてる。
あー、これは確かに加虐心が擽られるかもしれない。俺は断じてないが。


「どうしてシオンは大丈夫なのに私は話しかけるだけで震えちゃうの?」

「そ、そそそれは……!」

「それは?」

「シオンは、まだ、小さいから……」


おい、俺がいつまでも赤ん坊のままだと思うなよ。
その内話すし歩くしでかくなるんだからな。そうなって貰わないと困る。
どうすんの、俺が17とかになったら。ガタブルするの?


「そう……じゃあしょうがないのね」

「ご、ごごごごめんなさ」

「いいのいいの、ゆっくり慣れてね」


おーい、誰かこの二人につっこんでー。
全然しょうがなくないから。もっと将来とか考えて。
やっぱりあれなの?ポケモンと人間じゃ感覚が違うの?
そんな訳あるか。
しっかりして、天然ボケ二人。あ、やっぱりミロはそのままでいいや。


「これからもシオンのこと、宜しくねお兄ちゃん」

「……!うん」


話を勝手に進めないで。いつの間にこんなお話になってるの。
おいこら、嬉しそうに頷くな。そんなにお兄ちゃんが嬉しいのか。
あぁああああ俺もおしゃべりしたいぞこらああぁあああ!


「んー!むー!!」

「あ、ごめんねえシオンを放っておいちゃって」

「うー」

「シオンー、いっしょに遊ぶ?それともお昼寝?」


構ってもらって嬉しいような虚しいような。
最近めっきり精神も退行しているように感じる俺でした。
……そろそろ赤ちゃん編すっ飛ばしてもよくね?


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