「きょうはな!」
「なんとー」
「「かげふみやんぞー!!」」
「おまえらそれエンドレスじゃん!!」
双子に引きずられてやってきたのは、森の奥。
何でも人間に見つかるといろいろやばいからなんだとさ。捕獲とか。
最初はこんなジャングルの中に子どもを野放しにしてそれこそいいの?って思ったんだけどね。ほら、こいつら森に生きるポケモンだし。
森とか自分の庭みたいなもんなのよ。
そう言う俺も大分こいつらに感化されたし。もうこの森の中で迷うとかアホなことしない。
いや、一回迷ってガチ泣きしたとかそんなことないし。
ていうかジグザグツインズ、いつも思うけどお前等その遊びの情報どっから持ってくるの?
「えんどれすがおもしろいんじゃないかよ!」
「えんどれすってどういういみだー」
「「とにかくやろうぜ!!」」
「いみわかってないのにてきとうなこというなし」
「まあまあシオン、落ち着いて
ジグとザグも、おれに説明してくれる?」
わたがどうどう、と俺を諫める。俺は馬じゃないんですけど。
ジグとザグは単純で、わたの言葉に嬉々として説明をしていた。
そんな意気込まなくても、影踏むエンドレス鬼ごっこで通じるよ。多分。
「とりあえず!」
「かげのなかにはいれるのは10びょうまでー」
「「よし!おにきめじゃんけんするぞ!!」」
「うん、じゃあいつも通りおれ達は原型になるのはなしね」
「とーぜん」
いつも体使う遊びの時のルール。
ほら、俺今ただのかよわい幼女だし。ポケモンの馬鹿みたいな体力に適う訳ないし。
しかもポケモンって技使ってくるし。そこで俺が初めて遊んだ時に物申した。
無理だから。鬼の“たいあたり”とか喰らったら死んじゃうから。その時はほんと、死ぬ気で避けたけど。
「さいしょは!」
「ぐー」
「「じゃんけん!!」」
「「「「ぽん!!」」」」
俺→グー
ジグ→グー
ザグ→グー
わた→チョキ
結果、わたの一人負け。
因みにこれ、いつものことだったりする。
「また!?またおれだけ負け!?」
「うわ!」
「わたにいー」
「「よわーい!!」」
「うっ!!」
いい加減気付けばいいのに、毎回最初にチョキ出す癖。
まあ誰も鬼なんてやりたくないからわたのそんな癖なんて言わないけど。
だって鬼ごっこの範囲ってこの森全部だぜ?誰もやりたくないってそんな鬼。
「もう!今日はジグとザグ狙いで探すからね!!」
「ぎゃ!」
「えー」
「「ひきょうだわたにいー!!」」
「いーち!にー!!」
「うわ、かぞえだした」
さっさと逃げなきゃ。
因みに鬼は十数えたら追いかけてくる。百くらい数えておけよ。
俺達幼児三人は散り散りに森の中へ駆けだした。
流石にこのときはいつも一緒の双子もバラバラに逃げる。その方が逃げられる確率が上がるからだ。
さて、俺は今日はここより奥の森の方まで逃げますかね。森の中の方が木とか沢山あるし。
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