※軽い下ネタ注意!
「勝手にミロカロスさんの住処に入ってすみませんごめんなさい許してください……!!」
「お、怒ってないわよ?大丈夫よ、落ち着いて?」
「う、うぅううううごめんなさいいいいい」
ミロの姿を認めた途端、錯乱したようにごめんなさいを連呼するチルット。に盾にされている俺。
お前の図体、俺のちっちゃなボディじゃ隠せないぞチルットさんや。
ミロが落ち着かせようと一歩近づいて口を開くが、それは逆効果だったらしい。
今にも泣きそうだったチルットがとうとう泣き出した。
……ほんとなんなの?
「ぐす……っ、ごめんなさい……ごめんなさい……もうちょっと離れてください…!」
「え、ええ……これくらい?」
「もうちょっと……っ」
ぐすぐすとしゃくり上げるチルットと、じりじり交代するミロ。
……ねえ、ほんとなんなの?この状況。
大声出してやっと会話出来るくらいの距離になり、漸くチルットは落ち着いたらしい。
ごしごしと涙を拭っている。ついでに俺も抱え直してくれ。
「ごめんなさいごめんなさい!おれ、おれ、女の人が苦手なんです……!」
言うに事欠いてそれか。
必死になってると思ったらそんなことかい。
元男の俺に対する嫌みかこの野郎。
「……ああ!あなたもしかして、この間森の外から来た子?」
「そ、そそそそうです……!」
「ごめんなさいね、すぐに気が付けなくて……」
「いえいえいえいえいえ」
落ち着いてると思ったが、違ったらしい。
大分距離があるにも関わらず、壊れた機械みたいにずっと首を横に振っている。
大丈夫か?首落ちない?
「チルット……この距離じゃないとダメ?」
「ごめんなさいいぃいいいこの距離でも限界です……!!」
「ええ…でも……」
「きゃー!お、おそわないでえ……!!」
聞き取りづらいのか、ミロが一歩足を踏み出しただけでチルットはまたも錯乱。
……てか今、襲わないでって言った?言ったよな?
どういう意味だってばよ。
「え、お、襲わないわよ?」
「ぼくなんて食べても美味しくないです……!」
「食べないわよ?」
「ひう……っ」
ミロと話す度にポロポロと涙をこぼすチルットに、ミロが困惑。
おいおい、襲うってまさかなあ……お前。マジで?
いや、嘘だって言えよ?な、頼むから。
てかね、ちょっと落ち着け?一人称迷子になってるから。
「うー?」
「う、うう……っ」
取りあえず落ち着け、と言うことでチルットの手をぺしぺししておく。
男がそんなすぐ泣くんじゃないって。
さっきまで泣いてた俺が言う台詞じゃないけど。
「お、おれ……群れの♀に、む、むりやり……こうびっ、されて……」
交尾言うな、生々しい。
「それで、女の人が怖いんです……!」
「そうだったの……ごめんなさい」
「い、いえ……!ミロカロスさんは悪くないんです……!!」
え、流すの?さらっと流すの?
誰か、ここにツッコミはいないの?それともこれはポケモンの常識なの?
誰かこれは立派なショタコンですよって言って……!!
「……そう言えば、言いにくいんだけど……」
「は、はい……!?」
声裏返ってるぞー。
少しもちつけ……じゃなかった、落ち着けチルット。
「あなたがだっこしてるシオン、女の子なの」
あ、忘れてた。
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