腹の底
「え、水に溶けてたの!?」
「うん」
「それは、見つからないはずだよ……」
「ごめんね。でもがんばって伝えようとしたの。水跳ねさせたり」
「あれ君だったの!?気づかなかった……」
「うん。はやく気づかないかなあってずっともやもやしてた」
「ご、ごめんね」
「いいの、きづいてくれたから」
「え」
「だから、ゆるしてあげる」
「……!」
「これからも、ぼくといっしょにいてくれる?」
「当たり前じゃないか!!ぼくこそ、たたいたりしてごめんね」
「うん。痛かった」
「あう」
「だからね、今度またやったら、また水に溶けるからね」
「え」
「ふふ、だいすきだよ」
「ぼ、ぼくもだよ!」
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