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1 至上主義予告編



 はじめまして…四番隊第七席の山田花太郎です。
 あの、拍手のお礼に僕なんかが出ちゃって良いんでしょうか…あ、はい、次回作の告知をするように言われてきたんですが。

 ──え、ええっ?

 そんな、好きにしゃべれと言われても…えっと、じゃあ?さんの話をすればいいのかな…



 ?さんは十一番隊の第七席です。えへへそうです、僕と一緒です。四番隊では姫って呼ばれてます。
 この呼び名は前に、荻堂さんが付けたんだったと思います、確か。姫は四番隊がお嫌いみたいで、おまけに荻堂さんが、その――いつもの調子で姫にちょっかいかけたせいで、今はほとんどいらっしゃらなくなっちゃったんですけど。
 あ、でも姫は本当はすごく強いんですよ。七席っていうのも、姫が席官になるのを嫌がって更木隊長と喧嘩して二人して大怪我しちゃって、卯の花隊長に説教されて仕方なく試験を受けた結果…らしいです。更木隊長や十一番隊の皆さんは姫に四席になるよう勧めてるようなんですけど、姫はああいう方ですから多分ならないでしょうね。


 え?…どんな人、かぁ。

 そうですね…強くて優しい人です。そもそも十一番隊で女性隊士として席官を務めてる方ですから、強いのはもちろんなんですけど。
 何と言うか…朽木邸にも度々出入りしてると聞きますし、市丸隊長や涅隊長とも臆せず付き合ってるみたいだし、京楽隊長とはよく飲むって言ってたし…ああ、あとは、へブッ!

「…まーたテメェかよ」
「ブッうぇっ、斑目三席…!」
「なぁ、アイツどこ行ったか知らねぇか?」
「ししし知りません…っ」
「いっつもいっつも逃げやがって…オイ、見かけたらこう言っとけ!三秒以内に試練場に戻らなかったら犯すってなッ!」
「ええ?!そっ、無理です!」


 行っ…ちゃいましたね。

 そうです、斑目三席ともすごく仲が良いんですよ姫は。まぁいつもあんな感じなんですけど。

 あとはそうですね、ほかの副隊長の方々とも親しいみたいです。九番隊の檜佐木副隊長、十三番隊の志波副隊長、六番隊の阿散井副隊ちょ…あ、噂をすればですよ。


「阿散井副隊長」
「おう!…誰だっけお前?」
「山田花太郎です…こんにちは、檜佐木副隊長」
「…」
「先輩?どうしたんスか?」
「…アイツのお気に入りの四番、ってお前か?」
「アイツ?姫ですか?」
「姫??と知り合いなのか!」
「はーやっぱそうなのか…花ちゃんつってたからまさかと思ってよ」
「え!お前花ちゃんって呼ばれてんの?」
「は、い…」
「んだよ俺なんて"君"呼ばわりだぜ」
「そりゃまた…俺でさえ恋次って呼んでくれますよ」
「は?何でテメェが名前で呼ばれてんだよ」
「多少なりとも気に入ってくれてんじゃないスかねー」
「…」
「あ、阿散井副隊長、危なッ…!」
「っうわッ!ちょ、先輩っ!」
「大人しく斬られとけ」
「…はあ?ってちょっと!ホントに無理ですってーッ!」


 あ、ははは。お二人とも姫にゾッコンなんですよね。もちろん僕だって姫をお慕いしてます。あまり大きな声じゃ言えませんけど、姫は僕を「一番好き」って言ってくれたんですよ!えへへ。


 じゃあ僕そろそろ行きますね。今日は姫と昼ご飯を食べるんです。楽しみだなぁ!







 





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