「では最後の組み合わせ、四ノ宮那月君と一ノ瀬トキヤ君です!
今回は最後という事で、なんと!
これまでドッキリに遭ったメンバー全員が来てくれました!
うわー四人居るだけでも豪華メンバーですね!
これで六人揃うと凄く絵になりますね!!」
簡単に羽島さんが彼らに対し説明し、もう手馴れた感じで又違う鍵をポケットから取り出した。
「それは・・・」
「そう!
四ノ宮君と一ノ瀬君の部屋のマスターキーです!
聖川君達の時も同様、これを使って侵入したんですよー」
羽島さんがあっさりとそれをバラすと四人は同時にがっくりと項垂れた。
しかし羽島さんは彼らをあっさり無視しつつ番組を進行させる。
「ではでは最後のドッキリ、行っちゃいましょう!」
ガチャリ、
・・・・・・・・・・・・え?
羽島さんが小声でそう言った瞬間、背後のドアが開いた。
・・・あれ、彼処って確か、四ノ宮君と一ノ瀬君の、部屋じゃ・・・?
・・・・・・・・・・・・アレ、ドッキリ失敗?
「あれぇ?皆さんどうしたんですかぁ?」
「な、那月・・・!」
「あー起きちゃったかぁ・・・」
「シノミー、イッチーは?」
「此処で四ノ宮が起きるとは・・・」
金髪眼鏡君がドアから覗き込んできた。
どうやら彼が四ノ宮那月君らしい。
・・・なんかのんびり屋って感じがするなぁ。
「トキヤ君なら、まだ寝てますよ?」
「よしっならまだ大丈夫だな!」
「え?何が大丈夫なの翔ちゃん」
「話は後!静かに!出来るだけ静かに入るぞ!」
・・・この番組って羽島さんがリポーターだよね?
何で来栖君が仕切ってるの?
「ということでトリを飾るのは一ノ瀬トキヤ君です!
最後なので、今回は僕ではなくST☆RISHのメンバーでやってくれるそうです!
楽しみですねー」
内容を急遽変更し、今裏方は慌てふためいているのに、それを一切感じさせない羽島さんを本当に尊敬する。
ていうか、どんなドッキリやるんだろ。
何か、他のメンバーが凄いイイ笑顔だったし、そんなに一ノ瀬君ってヤラレキャラなのだろうか。それとも、常日頃から何かしらやらかしているのだろうか。
とりあえず今はカメラで寝顔を映している。
・・・うん、やっぱりアイドルというだけあって美形。
確か、HAYATOだったんだっけ?
「あ、準備が出来たそうです!
ではST☆RISHの皆さん、宜しくお願いします!」
『(小声)はーい!』
「(小声)OK、レディ」
「(小声)うむ」
「せーの、トーキヤー!!」
「起きろトキヤ!」
「トキヤくーん起きて下さーい」
一十木君と来栖君、四ノ宮君が一ノ瀬君を起こしにかかってから十秒位経った頃だろうか。
一ノ瀬君が上半身を起こし何事か、という目で此方を睨んできた。
「何の、騒、ぎで・・・」
一ノ瀬君の視線の先には聖川君が持っているカンペ。
其処には一言、『HAYATOで挨拶』だけだった。
(・・・HAYATO?・・・・・・カンペ!?)
ぎょっと藍色の瞳を見開いた後、一ノ瀬君の口から嘗て自分が演じたキャラクターの台詞が出てきた。
「おーはやっほー!!
朝起きたらいきなりカメラが回ってるなんて、僕すっごい吃驚しちゃったにゃー・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・何やらかすんですかー!!」
神宮寺君は爆笑、聖川君は掌で口元を覆っているが肩が震えているので笑っている事を隠せていない。
次いではっと、我に返った一ノ瀬君から彼を除くST☆RISHのメンバーは雷を受けたのでした。
今日を振り返って一言添えます。
新人の僕ですが、早く現場慣れする為に頑張りたいと思います。
+おまけ+
「トキヤーもう許してよー!」
「オレ達だってドッキリ仕掛けられたんだぜ?」
「そうだぞ、一ノ瀬」
「は?」
「僕はされていませんがねぇ」
「那月はややこしくなるから黙ってろ!」
「ほら彼処にいる羽島幽ちゃんがリポーターなんだよ」
「・・・・・・・・・・・・え゛」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
賑やかな朝
20000hit企画第三弾は氷雨様に捧げます!
ドッキリって楽しいですけど難しいですね・・・。
トキヤ単品なら多分1話で仕上げられたでしょうが今回は六人だったので長くなりました。
まさか三ページになるとは思わなかったです。
リクエスト、有難う御座いました!
これからも『Elysion』を宜しくお願いします!
20120524
+おまけのおまけ+
「何故・・・栞さんが・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・忘れて下さい」
「・・・何を」
「察して下さい」
「(・・・多分HAYATOのことだろうな・・・)・・・頑張る」
「・・・・・・・・・(ずーん)」
絶対にHAYATOとしての自分を見られたくなかったのに結局見られて落ち込みまくるトキヤとどう接して良いか分からない主人公(笑
20120528(Diary/20120524より再録)